世界最長ワールドレコードの1kmスラックラインについて思ったこと

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1kmスラックライン

1020m
とりあえず、このレッドブルの記事を見ていない人はぜひご覧ください。

プロフェッショナル・スラックライナーたちの情熱は遂にここまできた。史上最長となる全長1kmのスラックラインを達成した様子を映像でチェック!
2016.5.27 | 圧巻! 全長1kmのスラックライン! | Adventure

このライン自体は4月の半ばに歩かれており、記録が出てから一ヶ月近く経っておりますが、日本語記事が出たのを機会にエントリーを書きます。前回の、ワールドレコード(アメリカキャッスルバレー。動画見てない人はぜひ)の記事も書いてましたし。

詳しいことは記事を読んでもらうとして、感想など。
画像は© Pierre Chauffour

レッドブルの動画

恐ろしいライン

まず、動画の冒頭が怖い。ラインから落ちた時に、命綱の接続地点(リーシュのリング部分)がライン上を滑って行っています。動画では途中でラインに登って止めていますが、ほっとけばラインの中間地点まで滑りますね。緩くて長いラインだから、体重でライン上を滑り落ちてしまうんです。

何事もなく中間地点まで滑って止まればラッキー。というのも摩擦熱でリングが熱くなってラインがバックアップもろとも切れそうな予感がします。以前、カラビナにぶら下がって30mラインをジップラインのように滑って降りたことありますが、そのときの30mですらカラビナがけっこう熱くなっていましたから。そのように、トライの背景を考えるだけでも恐ろしいラインです。命綱あるから挑戦だけなら誰でもできると思ったら大間違いみたいです。

バックアップももちろんありますが、あれも怖い(長さと高さを考慮したらしかたないけど)。ダイニーマはまったく伸びないので、そのまま落ちたら命にかかわる衝撃が体にきます。どの程度の高さを落ちるかによるけど、計算上はおそらく人間は耐えられないんじゃないだろうか。ちなみに、ダイニーマロープをハイラインのバックアップに使うことはお勧めされていません。どうしてもあの軽さが必要な人だけ。カム類も使えませんし。

3kNというテンション

それで、どれだけこのラインのテンションがあるのかなと試算してみました。すると1020mでSag50mは約3kNとなっています。最近の長いハイラインでの流行している緩々テンションです。
このテンションは10mの長さなら沈み込みが50cmなので、まぁ普通くらいのテンションとも言えるんですけど、ロングだと緩いですね。224mのハイラインレコードの時に開発された張り方です。

あの長さであのテンションは地上ではほぼ無理ともいえるので、ハイラインじゃないと設置できない。地上でのロングラインのワールドレコードは現在601mで沈み込みは7mでした。アンカーの高さを考えると起伏のある丘陵地や砂漠などでなければ張れません。ちなみに700mオーバーラインは設置中にラインが切れたらしいです。過去にAフレームを当てて傷んだところが切れたらしい。

片方のアンカーはマルチピッチのクライミングルート

レッドブルの記事では2.4kmの登山しなければ設置できないと書かれていますが、もう一方のアンカーは難しいマルチピッチのアリババというクライミングルートで8A+(13c)らしいです。ひぇー。もちろんクライマーじゃないと登れないし。ガイドロープ渡すのはドローンがないととてもじゃないけど不可能。
なので、このラインを無事歩ききってもそのマルチピッチを下るの時間がかかるはずですから、ラインプーリー(動画ではハングオーバーという製品)を使って自力でスタート地点まで戻ってきています。傾斜もありますし、これはこれで腕が相当きついはず。確かにプーリー使って渡った距離もワールドレコードだ!と言いたくなるはず。

早い歩行ペース

歩行ペースもすごい。ダニーは40分ですよ。100mに換算したら4分だから、速足気味で止まらずの超快調ペース。ほんとうにすごい。

以上、感想でした。
おかげでスラックライン熱が上がりました。素晴らしい挑戦をありがとうございました。
普通のラインですが、早速週末張りに行きます。

他の動画


1020 m World Record Highline – YouTube


言葉が解かる人はぜひご覧さい。


1KM – SHORT EDIT on Vimeo


ラインの状況

ライダー:Nathan Paulin Danny Menik
場所:フランス、アルプ=マリティーム県
ライン:slak.frムーンウォーク
バックアップ:ダイニーマ6mm
沈み込み(sag)、50m。
テンション:3kN(当サイト推計)

この距離が破られることなんてあるんだろうか

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レクタングル大