1インチ(2.5cm)ラインか?2インチ(5cm)ラインか?そこが問題?

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slackline.jpを書いている人
歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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スラックライン用のラインは二種類に大別ができる

ギボンジャンプとギボンプロライン

スラックラインに使われるラインは大別して二種類の太さがあります。幅の狭い1インチラインと幅広の2インチラインです。厳密には違いますが、1インチラインがおよそ2.5cm、2インチラインが5cmくらいです。いまは幅広の2インチラインが主流です。

※国際インチ
1インチは厳密には25.4mm。

1インチライン

ぴったり、2.5cm

1インチラインの利点

  1. 比較的軽く、かさばらない。
  2. ロングラインに向く
  3. クライミングギアやラインロッカーと相性が良い。直接結ぶことも可能。
  4. スペーサーがあれば2インチ用のラチェットも使える。小さいが1インチ用のラチェットもある。
  5. ロングラインやハイラインに向く。
  6. 計り売りの100mを超えるラインなども入手可能。
  7. ウェビング(Webbing)というスリング用のテープが流用でき、ロングライン用として売っているサイトもある。
  8. 裸足で歩くとき、足の指をからめることができる。
  9. ハイラインなどでラインを掴みやすい。

2インチ用のラチェットにスペーサーを使えば1インチでも綺麗に巻き取れる。あまり強く巻くと斜めになるのが悩み。これを使わなくても巻くことは可能だが、リリース時にラインを傷つけてしまう。ラチェットはエレファントスラックラインズ、スペーサー(ネジで分割できる)はスラックスター

1インチラインの欠点

  1. 幅が狭いので初心者には若干不利。でも慣れれば問題なし。
  2. エアー・バウンストリックに若干不利。でも慣れれば問題ない。
  3. ライン強度は5cmと同程度で問題ないが、幅が狭いので一度傷が広がると一気に破断する可能性がある。なので、ガースヒッチは推奨されていない。
  4. 幅が狭いので傷ついた箇所の補修は現実的でない。一気に、傷が広がり破断の可能性がある。
  5. ラチェットを使わずに張ることも可能だが、強いテンションをかけるには工夫や道具がいる。
  6. 日本では取り扱いが少ない。
  7. 製品にもよるので一概にはいえないが、2インチよりも生地の絶対量が減るのでより多く伸びる。

1インチラインのその他

  1. チューブラーという筒状になったタイプと、オープンという一枚テープの二種類ある。比較するとチューブラーは重く、オープンは軽い。でも生地の厚さも違うので物による。
  2. 1インチのスラックラインキットには、ラインロッカーとカラビナを使って摩擦締め込みで張る商品もある。いわゆる、元祖的な方法。ラチェットが無いので軽量だが、人力なのできつくは張れない。

2インチライン

2インチラインの利点

  1. ラチェット付きのスラックラインキットになっているので、すぐに遊べる。
  2. 日本で比較的手に入れやすい。
  3. 幅が広いので初心者に若干有利。でも慣れの問題。
  4. 幅が広いのでトリックにも若干有利。でも慣れの問題。
  5. 一般的なラチェットと相性がいい。
  6. 比較的破断に強いのでガースヒッチが使える。
  7. 多少の傷みは補修も可能。
  8. ギボンジャンプラインなど伸縮性が少し優れたトリック用ラインがある

2インチラインの欠点

  1. 幅広なのでラインロック用のアイテムは殆ど無い。
  2. 現実的なラインロックがラチェットになるので、ロングラインでは使われない。
  3. 直接なにかに結ぶことも現実的ではない。
  4. 重量があるので長いラインになると重い。
  5. ロングラインや測り売りはほとんどされていない。

2インチラインのその他

  1. 厳密には違うかもしれないが、いっきに広めたという点ではドイツのギボン社が2インチラインのパイオニア。

まとめ

シンギングロックの1インチライン
両者は通常、ほとんど違和感なく歩ける。その理由は慣れるから。細いラインは難しいと言う人がいるが、後ろ歩きが出来る程度の人ならすぐ慣れて難易度はほとんど変わらない。全く初めてのラインが1インチの場合、歩きのマスターに時間がかかるのか?と考えると、細いラインのほうが若干時間がかかるかもしない。でも基本はほとんど変わらないので、微々たる差だと思う。強いて言えば、心理面で細いラインだと不利かもしれない。

トリックもそんなに変わらない。「1インチだとジャンプができないと思っていた」と、1インチユーザーから聞いたことがある。自分が乗り比べる限りではほとんど違いが分からなかった。ライニング中も1インチとか2インチとかほとんど考える必要もなかった。問題はラインそのものではなく、テンショニングが1インチ専用の小さいラチェットでは限度があるということだろう。
1インチでのバウンス系も特にお尻が痛いってほどでもない(お尻から太ももあたりで全然痛くないし)。1インチラインで高エベルトリックをガンガンやっている動画なども探せばある。

1インチラインがロングやハイライン向き、2インチは大型ラチェットで手軽に強いテンションがかけられるのでトリック用向き、とは言えると思う。あと重さ。あとユーザー数もだいぶ違う。また、ヨガスラックラインは1インチラインを使うのが主流のようだ。

どちらが良いか?には人それぞれの意見があり、答えはないでしょう。幅だけではなく、ライン生地そのものでも乗り味が違ってくるし、テンションや長さでまた状況が違う。結局は、シュチュエーションやフィーリング、好みの問題ですね。色々乗り比べて気の合うラインを探すのも楽しいかもしれません。

3.5cmの1.5インチラインもある

1インチと2インチの中間的なラインもある。新しいのは主にトリック用の超伸縮ライン。もっともっと跳ねたい人にはいいかもしれない。日本には今のところユーザーはほとんどいない。