スラックライン用語集 Slackline Glossary

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歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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スラックラインのスタイル

  • スラックラインSlackline—–木と木の間などに、ベルト状のラインを張って歩いたりして遊ぶ事やその器具のこと。厳密にはスラックライン(スポーツとしての名称)をすることはslackliningといい、slacklineはその道具のことを指すのかもしれないが、スポーツ名としてスラックラインslacklineと称されることが今のところ日本では一般的。長さは市販品が15mなのでそれ以内の長さで遊ぶことが多い。ラインはテンションをかけてきつく張るが、ライン自体に若干の伸縮性(3%~10%程度)があるので上下左右に振れる。現在はポリエステル素材が多く、ロープとしては伸びにくいが相当強いテンションをかけるのでラインが伸びる。このラインの伸びや振れを乗りこなして遊ぶのが、スラックラインの一番の特徴。くわしくはスラックラインとは?のエントリーを参照してください。
  • ロングラインLong Line—–30mより長いライン。30mを超えるようなラインを張る場合は、それ相応の装備が必要。世界記録は1000mオーバー。
  • シティラインCity Line—-路上でスラックラインをすること。本来は街中での注目度の高いハイラインを指す。例えば西洋建築物の塔と塔やビルの間に張ったハイラインのこと。アーバンラインとも言う。ただ、街中での公園以外の設置(路上や電柱などに張ること)は特別な理由がない限り避けるべき。
  • ウォーターラインWater Line—-水上でやるスラックライン。
  • ヨガスラックラインyoga-slackline—-ヨガの動きをスラックライン上でやること。ゆったりと楽しむスタイル。
  • ハイラインHigh Line——飛び降りたら無事で済まない様なところで行うスラックライン。命綱をつけて行うのが普通。命綱無しはフリーソロという。
  • 綱渡り――ロープやワイヤーやラインを渡る行為。詳しくは綱渡りとは?を参照してください。英語ではロープウォーキングrope-walkingやワイヤーウォーキングwire-walkingという。
  • フリースタイルFree Style—-短いラインでトリックして遊ぶスタイルのこと。スラックラインの認知度が無かった時代、ハイラインに対して使われた言葉でもったりする。フリークライミングのフリーが同じ意味ということ。現在では強テンションはトリックラインといい、伸びるセッティングでサーフィンなど自由自在に動くことをフリースタイルという。
  • トリックライン—-ダブルラチェットなどで強いテンションを張り15mから20mのラインでバウンストリック中心のトリックをやるライン
  • ロデオラインrodeo line—–ラインのテンションをだらんと垂れるぐらい緩く設置して遊ぶこと。正式にはアンカー位置かなり程と高くして、とにかくゆるゆるに垂らして行うこと。アンカー位置が低いと簡単になり、歩くことも可能。本来はかなり高い位置にアンカーを取って張る。
  • サグラインsagline—-高く緩く張ったライン。ラインの伸び率により、ロデオになったりサグラインになったり。
  • 他にもツリーラインや、水中ライン、リバーライン、シーライン、トリプルライン、ダウンヒルライン、スノーライン、キャッスルライン、ディープラインなど設置状況により色んな呼び方がある。

ラインの素材

  • ポリエステル—現在、ほとんどのラインがポリエステルである。ナイロンよりも伸びが低い。強く張れば、沈みにくく高反発なラインとなり、トリック用としても主流。
  • ナイロン(ポリアミド) —-元々はスラックラインはナイロン製のウェビングで乗られていた。ポリエステルよりも伸びやすく、強く張ってもビヨンビヨンという感覚がある。ポリエステルがある一定テンションで急に伸びなくなるのに対し、ナイロンはいつまでも伸びる。クリープ現象は大きく、乗って遊ぶうちにどんどん緩くなる。
  • ダイニーマなどーーーーダイニーマやベクトランなどの新素材。圧倒的に伸びにくい。しかも軽い。乗ってるうちに伸びてくるクリープ現象も少ない理想的なラインだが、体重で伸びちぢみしないので面白味にはかけるかもしれない。ポリエステルなどと比べると2倍くらい価格が高い。摩擦熱にも弱いことから取り扱いには注意が必要。ラインロックしても滑る場合があるので対策が必要であり、結び目は極端に強度が落ちるので作ってはいけない。
  • ハイブリッドーーーーダイニーマとポリエステルの混合ライン。

設置

  • テンションTension—-張りの強さのこと。ギボンのライン自体は破断強度がジブラインが3トンまで。クラシックが4トンとなっている。ギボンはトンで表すが、ほとんどのメーカーがkNキロニュートンという力の量を表す単位が使われる。1kN=約100㎏程度。スラックラインは通常の設置自体である程度テンションが掛かり、その上で動くことにより突発的には更に強いテンションが掛かる。その際、基本的にはラインが伸びることでその突発的な力を吸収できるが、ラインの痛みにつながったりアンカーの破断に繋がったりするばあいあるので、くれぐれも強すぎるテンションは注意して欲しい。状況にもよるが通常は1kN~3kN程度。激しいトリックは5kNから7kN(バウンストリック時は15kN)、高テンションロングだと10kN~15kNなど。
  • 支点・アンカー—–木や構造物などラインを結ぶ(巻く)所。スラックラインキットは公園などの木に巻いて使うことを想定されているが、エンドループをシャックルなどにかけて使うこともできる。ハイラインなどで岩に打ち込んでいるボルトなどをアンカーとする場合は、正しい方向に均等に力がかかるようにしてバックアップの意味を込めて複数のアンカーをとること大原則である。
  • アンカースリング—アンカーを作る際に使うロープやスリングのこと。クライミング用のものや業務用のラウンドスリングが使われるが、耐久性のある業務用ラウンドスリングが使われることが多い。ラウンドスリングはスパンセットともいう。
  • 可変スリング—-長さが変えられるスリング。
  • ツリーウェアTree wear—-木を保護するために使う、布やマットのこと。厳密にはギボンの商品名。ツリースキンやツリーパッドとも言う。最初は手近な物を使っても構わない。
  • ラチェットRatchet—-ラインを締め上げる機構。正式にはラチェットバックルといい、ラチェット採用のギアで締め上げるハンドル式巻き上げ機構である。巻き上げが終わったらハンドルを折り曲げたりして、ギアをさらにロックして使う。本来、ラチェットとはギアを使い回転の一方向だけに力をかけることができる構造のことを指す。
  • ロングラチェットLong Ratchet—-ロングラチェット・モンスターラチェット・ビックラチェット・デカラチェットなどと称される、ハンドルが長くてラインを多く巻きとりやすい大型ラチェット。最初は30mのギボン・サーファーラインなどに採用されたが、15mラインでもかなり強いテンションをかける目的のために使う人が多くなった。ギチギチのテンションを求める理由はバウンス系トリックははテンションが強いほど、反発量が多くて有利になるから。
  • ダブルラチェット Double Ratchet—–ラインを設置する際に、ラチェットを2つ利用すること。トリックに適したより強いテンションを得るために使う。ロングラインの設置にも利用することが可能で、40m程度のラインならロングラチェットを2つ使うことで歩けるテンションを確保することも出来る。バウンス系のトリック時にはかなりのテンションがかかりるので、できればバックアップを取とるのが望ましい。やり方がわからないという人がたまにいるけど、普通に考えればわかるはず。エンドループは切らなくてもいいが、切る(もしくはホドク)と設置と撤収が早い。
  • メガラチェットMega Ratchet—-折り畳み式ハンドルのついた大型ラチェット。かなり強く巻けるが、巻き取り量の限界はデカラチェと同じ。すごく重い。XXLラチェットとも称する。
  • テンション開放・リリース・ディテンション—–ラチェットなどのテンショナーでかけた強いテンションは、テンションそのものを解除しなければラインを片付けることができない。通常のラチェットの場合は、内ハンドルを引きながら一緒にメインハンドルをリリース位置にすることでギアのロックを強制的に外して一気に解放する。強く張るほどリリース時に強い衝撃と音が発生するので、ラインの端っこの余りなどを引っ掛けてやるといい。軽く張っている場合は、普通に手で怖がらずにやればイイ。一部のラチェットにはギアを一段一段緩めることができるニューセーフリリーステクノロジー採用のものもある。この方法以外にはアンカーテープを使って、それを緩めたりする方法もあるが失敗することも有る。
  • ソフトリリース、スローリリース、ラインルーズシステムlineloose system-予め巻いたラインを使ってゆっくりリースすること。やっている人は少なかったが、エレファントやギボンにもキットが出てきてやる人が増えた。高テンションで遊ぶ人が多くなり、ラインが傷みやすくなったことも関係している。ロングラインでも使われる。
  • プリミティブシステム—-ラインロッカーとカラビナなどで締め込み摩擦でロックする方法。緩くしか張れないが、シンプルで軽く愛用者もいる。少ない道具を使い人力でラインを張る方法としては優れている。アメリカ人のエリントンという人が発明したので、古くはエリントンシステムと呼ばれていた。創成期にヨセミテでスラックラインの愛好者が増えたきっかけとも言われる。
  • テンショナー—-ラチェットなどラインを巻き上げてテンションをきつくするシステム全体のこと、ラチェットやプーリー・ウインチも含む。50mを超えるようなロングラインでは特別に締め上げシステムを組まなければならない。短い場合はカラビナを使い人力だけでもある程度は張れる。
  • カラビナ—–クライミングやレスキュー用のカラビナを設置する際に使ことができる。ただし、バウンストリックやロングラインなどかなり強いテンションをかける場合は、想定以上の力が掛かる可能性があるので記載されている強度に十分注意すること。アルミカラビナだと一気に割れて壊れる可能性がある。強度が高いスチール製がオススメだが、想定外の方向からの力やネジレ・3方向以上から引っ張るなどはカラビナの強度を落とす原因となるので、素材に限らず限らず注意して欲しい。現在ではシャックルの利用が増えてメインのテンションがかかるような場面ではあまり使われないが、テンションが少なければ問題なく使える。
  • クィックリンク/マイロン(マイヨン)—-カラビナを細くした形状だが、ゲートがネジ込み式なので弱点がなく強度が高い。ネジ部分はテンションがかかると緩まないので安心感がある。アルミ製とスチール製があり、スラックラインには強度のあるスチール製が適している。大きさは小さめでゲートも狭いので、使う場面はハイラインのアンカーや締め込みシステムなど場面など。通常の楕円形の他、三角形のデルタやD型などもある。10mmが標準的だが、8mmや6mmも使われる。
  • シャックル—–カラビナだとゲートがあるので、そこが弱点となるがシャックルだとその弱点がない。鉄製だと安くて強度もあるので使っている人も多く、特に海外ではシャックルがあらかじめセットされたスラックラインキットもある。元々は安くて丈夫なことが求められる産業用アイテム。スラックラインだとネジ部分にテンションをかけるのでネジが回って勝手に開くことはない(基本的には)。テンションがかからないと勝手に開くとも限らないのでクライミングなどでは全く使われないアイテム(重いし)。バックアップアンドでガチャガチャ揺れる場所に使うと振動でネジが緩んで外れてしまう。ハイラインの場合はもしピンを落とすと使えないので、慎重に使わなければならない。製造方法や素材で大きさや強度が違う。
  • ソフトシャックル—-ダイニーマ系の新素材ロープで作ったループにできるコネクター。太さがあれば十分な強度があるが、擦れには弱く保護スリーブと合わせて使う場合が多い。主にアンカー周りで使うが、ライン同士の接続もできる。欠点はつけ外しが単純ながらも地味にめんどくさいこと。作成方法は複数の方法がある。
  • エンドループEnd Roop—-ラインの先っちょにある補強されたループのこと。これがないとラインロッカーなどを使うか、直接結ぶことになる。
  • マットMat—スラックラインではボルダリング用のマットが一番使われている。重さ、耐久性、携帯性に優れており、クッション性も抜群。細かい点やクッション性能はメーカーにより様々だが、スラックラインでは厚みと広さ、軽さ、値段が重視される。歩くだけならマットがなくても十分挑戦可能だが、高めにラインを高テンションで張ってバウンストリックを練習する場合は用意したほうが怪我のリスクが減らせる。マットが無くても上手く落ちたり、逃げたりするのもスラックラインの面白さでもある。マットは結構高いんだけど、工夫して安く調達している人もいる。
  • ラインLine(ウェビングweaving)—-スラックラインをするため張ったライン自体のこと、もしくは道具としてのラインまたはウェビングのこと。
  • ジャンプ(ジブ)ラインJump Line—-パワーラインとかプロラインとも称するエアートリックに適した伸びるラインのこと。伸び率は%で表し、ギボンのプロラインは伸び率10%。ジブラインは公開されておらず不明。ギボンは強度や伸び率はまとも公開していない。
  • 常設—-スラックラインを張りっぱなしにすること。トレーニングジムやキャンプ場などに設置されている場合がある。
  • バックアップ Back up—-ラインがもし切れた場合の保険のために作るシステム全体のこと。例えば、ハイラインの場合は本ラインの下にバックアップラインがテープ留されることが多い。トリックラインでは、もし何かの破断でラチェットが飛んで怪我をしないようにラチェットを別のロープなどで支点と結びつけたりする。
  • ラチェットミサイル ratchet misille—-バウンス系などのために限界近くまでラインを張っている際に、何かしらのアイテムの破断でラチェットが飛ぶこと。体に当たれば怪我は当然なので、こまめにシステム全体の状態に気を配り、別にバックアップを取ることが望ましい。
  • ラインロッカー(ウェブロック)—ラインを固定するギアの総称。形状からバナナなどと呼ばれた専用ギアが進化した。解除や調整が楽にできるので便利。安心感も有るでロングラインではぜひ使った方がいい。シンプルで軽量なものから、アルミ削り出しの高品質なもの、ソフトリリースが接続できるようなもの、バッキンガムメソッドでも張りやすいものなど多機能化している。接続のしやすさや方法が数種類あるのでその点を考慮して選びたい。
  • 強度—力の大きさはkN(キロニュートン)で表し1kNは約100kg。10kNなら100kgですなわち1トン。厳密には破断強度と運用強度WLLの二種類がある。カラビナの場合だと本体に記載された強度は静荷重での破断強度。使うほどに金属疲労も溜まって徐々に強度が落ちるのは金属アイテム全てに共通する。
  • 破断強度 ミニマムブレイキングストレングス Minimum Breaking Strength(MBS)—クライミング用品に書かれた強度は、破断強度。そこまで耐えるの数値ではなく、そこで壊れるという数値。また、この強度は一番そのアイテムが強度を保てる状態でテストした時の数値なので、カラビナを横向きに使ったり、ゲートが空いたままだったり、三方から引いたり(Y字荷重)、折り曲げる力などがかかると簡単にそれ以下の強度になるので十分注意が必要。例えば、カラビナは全く同じ直径・素材でもD型とO型では強度がぜんぜん違う。
  • 運用強度 ワーキングロードリミット Working Load Limit (WLL)—運用強度。破断強度に対する運用強度の比率を安全係数という。道具や使い方によってメーカーによっては倍率が違う。また、使い方によっても考え方が変わる。例えば人命に関わるレスキューの場合破断の1/10で単純計算する。つまり、50kNのスチールカラビナでも5kNまでの範囲で使うことを意味する。スラックラインでは3倍くらい、業務用だと5倍など。ラインロッカーやプーリーは正常に機能する力の強さという意味もある。例えばラインロッカーだとロッカーそのものは壊れないがラインが滑る可能性がある数値。WLLは産業アイテムとスラックライン用品では安全係数が違いすぎるので紛らわしい。安全係数を考慮せずに強度を論じることは無意味であるので惑わされないようにしたい。さらには破断強度とも混同しているひともいる。
  • ウィンドダンパー―――ロングラインが風で捻じれたり上下に揺れるのを防ぐためのもの。重さで最初のねじれを防ぐのでねじれが大きくなるのを防げる。30㎝ほどのウェビングを使う。古いの切れば作れる。第三者にラインを目立ちやすくする効果もある。
  • ボンバー—-システム崩壊・破断のことを言う。ロングラインやハイラインで注意。

ハイライン・ロングライン

  • 完歩—スラックラインのアンカーからアンカーまで落ちずに渡り切ること。センディングともいう。英語ではsendとかcoross overいう単語が使われる。
  • ハイラインキャッチ—-ラインを掴んで落ちないこと。ハイラインでは必須の技術。
  • ワイパーwhipper—ハイラインで落下した時に、命綱(リーシュ)で大きく左右に揺れること。ラインが傷むので嫌われている。
  • ファーストアクロスfirst-across(FA)—-今まで誰も張っていないハイラインスポットを開拓し、そのスポットを最初に完歩すること。クライミングやボルダリングで誰も登っていないルートを最初に登るファーストアセントと同じ意味。
  • オンサイトon-sight(OS)—-クライミング用語。ハイラインにおいて、まだ歩いたことのない場所を最初のトライで完歩すること。初見という意味であるので、チャンスは生涯で一度きり。一度乗ったことあるラインに後日乗った場合はオンサイトではない。
  • 一撃(いちげき)—クライマー由来。最初のトライで完歩すること。初見にはこだわらずに幅広い意味で使われる。
  • フリーソロfree-solo(FS)–リーシュレスやアンテセッドとも言う。要するに命綱なしのハイライン。ごく限られた人だけが許される。パラシュートを背負ってそのまま飛ぶ時もあるが、これはフリーソロと言うよりベースジャンプをハイラインから飛んだということになり、ハイベースもしくはベースラインという。
  • ワンウェイone-way(OW)ザ・マン(TM)–ロングラインやハイラインで片道を歩くこと。フルマンに対してザ・マンともいう。
  • フルマンfull-man(FM)–ロングラインやハイラインで続けざまに往復を歩くこと。そのラインの完全制覇を指す。
  • ハーフマンhalf-man(HM)–ロングラインやハイラインで半分だけ歩くこと。通常は評価されないので残念な意味を含む。
  • ハイワイヤーhightwire—鋼鉄製のワイヤーでハイラインをすること。綱渡りだね。
  • ハーネス—-ロープを結ぶ腰ベルト。フリークライミング用のシットタイプ使われる。
  • リーシュ—-ハイラインの命綱のこと。ラインとはリングで接続する。リーシュなしのハイラインはリーシュレスまたはフリーソロという。
  • リギングrigging–プーリーの多重折り返しでハイラインやロングラインの設置などを行うことを指す。厳密な意味はロープ操作なので幅広使われる。単にラインを張るという意味でも使われる。
  • 倍力締め込みシステム Mechanical advantageメカニカルアドバンテージ—複数のプーリーを使い折り返すことで、より軽い力でたくさん締め込みできるようにするシステムのこと。英語のメカニカルアドバンテージとだいたい同じ意味。ダイレクトに1m引く行為を、折り返すことで2mにすることであり、そうすると力は半分でいい(ロープに掛かる力は全て均等になる)。多重折り返しを行うとどんどん軽くなり30分の1なども可能だが、実際にはプーリーの大きさや締め込み用のロープの伸びなどで計算どおりとはならない。また、引いいたロープをロックするギアも必要で、リリースの方法も予め検討しておかなければならない。ロングラインの場合は歩行用のライン自体が5%~10%くらい伸びるので、支点間距離の10%程度を倍力締め込みシステムに使うことになる。元々はレスキューなどで引き上げるときのシステムとして発案されたやり方で、プーリーやロープクランプの使い方は実に多種多様な方法がある。
  • リギングロープ/スタティックロープ—歩行用のラインとは別に、テンションを掛けるためだけに使うロープ。クライミングロープは伸びがかなり大きいし強度も無いので、伸びにくいスタティックロープを使う。スタティックロープは強度にも優れていてレスキューやケイビング・ツリーイング・高所窓拭きなどで使う。スタティックとは言っても若干伸びるので厳密にはセミスタティックという。
  • プーリーPulley—-いわゆる滑車のこと。スラックラインでは強度のあるタイプが適している。大きさは1・2・3インチがあり、2つ繋がったダブルプーリというのもある。ロングラインではよく2か3インチのダブルプーリーが使われている。ロック機構のついたトラクションプーリーもある。
  • ロープクランプ・アッセンダー—ロープを掴むギアのこと。一方には動いて、反対には動かないアイテム。ロープを引く場面に必要。ほとんどのタイプが棘や歯を食い込ませることでロープを掴む。トゲトゲ(トゥース)はロープを痛めそうだが、実際はより尖っている方が中途半端に滑らないのでロープを痛めにくい。刺ではなく、丸みのあるギザギザのカムのもあり、そちらのほうが優しいともいわれるが詳細は不明。最もロープにやさしいのはプルージック。どちらにしろ弱いロープで強くクランプして引くとロープが凹む場面も多い。
  • ブレーキ、ロッキングデバイス・ディッセンダー的なもの—リギングの最終的なロックを行わせるギア。ディッセンダーなどが使われるが、本来の用途はロープの下降。クライミングのビレイデバイスもディッセンダー(下降器)の一種である場合が多いが、本来の用途では無いので強度の面で不安があるかもしれない。一番使われている商品はペツルのグリグリだが、100mクラスになるならエディやリグなどのもう少し大きいのが望ましい。何を使うにしろ、ロングラインのロックはテンション量が異常なので明らかにメーカーの想定外の使い方になる。また、解除の方法や設置のスムーズさなども重要なポイント。
  • ライングリップーーー歩行用ラインをゴムなどで挟み込みつかむ道具。スラックプロ社の商品名がそのまま使われ、ライングリップという。ウインチを使って引く方法や、バッキンガムメソッド、張替え、ハイラインなどで使われる。これを使えばプーリーなどのテンショニングシステムを外せるのでより安全性の高いチャレンジが可能となる。
  • ライン(ウェビング)プーリー、ハングオーバー—–ライン用のプーリー。スライダーとも呼ばれる。当初はハイラインを移動する目的で使われた。スケボー用のベアリングを4個並べて滑る。スラックティビティのハングオーバーというカラビナと一体型が発売されたことで、ハイラインだけでなくロングラインのリギングでも使われるようになった。
  • バッキンガムメソッド(ハングオーバーリギング)—-スイス人のバッキンガムが古城でのハイラインセッティングで行った方法である。ラインプーリーを使用して歩行用ラインをライングリップ等の道具でつかんで引いて張る。リリースはソフトリリースを使う。手軽ではあるが、強く引くには多くのラインプーリーが必要になるので、緩く張る場合に適している。
  • エイトノットーーーエイトノットは八の字結びともいう。メジャーな結び方なのでぜひ覚えてほしい。ハーネスとリーシュの接続など信頼性が特に必要な場面で使う。見た目で正しく結べているかが容易に判断できることもこの結び方の信頼性を上げている。
  • バディチェックーーーハイラインにトライする際は誰かにチェックしてもらう必要がある。「トライするのでチェックお願いします」と声をかけよう。

フリースタイル

  • トリックTrick—-ライン上で飛んだり、座ったりする動きのこと。
  • エアートリックAir Trick-—ジャンプ系のトリック。
  • ライントリックLine Trick—–ジャンプとマウント系以外のライン上でトリック。ドロップニーやサーフィンのこと。スタティックとも言う。
  • ガンビット系Gambit—-ガンビットスワップに代表されるトリックの総称。体をラインに対し横に倒して手と足を突いた状態で行うトリック。発音はギャンビットに近い。チェスの捨て駒の意味。
  • ダウン系—-ドロップニーやフットプラントなど座って行うトリック。
  • クロスライン・エクスポージャー—-ラインに対して体全体を直角にする体勢。暴露体勢。
  • バウンシングBouncing—–ラインを上下に揺らすこと。
  • バットバウンスButt Bounce—–お尻で跳ねる事。ブートバウンスやブットバウンスなど発音の仕方は人それぞれ。正しい発音は→butt.wavファイルです。あなたはどう表記します?
  • マウントMount—–ラインに乗る事。ジャンプして乗ればジャンプマウントという。
  • ディスマウントDismount—-ラインから降りること。バランスを崩して失敗して落ちることではない。バックフリップで降りれば、バックフリップディスマウントというトリックになる。
  • サーフィンSurfing—–ラインを激しく横に振りながら立ち続ける事。ダウン系トリックと組み合わせることもできる。
  • スタンスStance—-レギュラースタンスやグーフィースタンスなど足の位置のこと。広い意味でガンビットの基本姿勢などもガンビットスタンスと言う。
  • スイッチSwich—-なにかのスタンスを左右入れ替えること。 または入れ替えたスタンス自体。回転計の場合は180+90で270になったりする。
  • フロントサイドfront side F/S —スピン系トリックの頭につく言葉。左足を前にして立っていた場合は、左回転をすること。
  • バックサイドback side B/S—–フロントサイドの逆。
  • ライドRide(ライディングRiding)—–ラインに乗って何かしらの動きをすること。Liningとも言う。
  • メイクMake—-トリック成功させること。成功率=メイク率。
  • ライントゥーラインline to line—-エアートリックでライン着地を成功させること。フィートfeetともいう。
  • ストックライン—–初心者がストックを使ってライン上を歩いてみること。
  • ブッダBuddha—-英語圏で使われる、あぐらで座ること。クロスラインで座ることはサイドブッタという。レギュラースタンスから再度ブッタに行く流れのトリックはオリガミ(折紙)という。
  • 拝み オガミ—-手で拝むこと。歩きながら拝んだり、ブッタの時に拝んだり、このような手の動きは似たような動作にはインザポケットとかノーハンドとか。
  • ターンTurn—-方向転換すること。
  • トランスファーTransfer—-横のラインに飛んで乗り換えること。またはスイッチのこと。
  • リカバーリーRecovery—-体勢が落ちそうになっても、ぐぐっと堪えて持ち直すこと。
  • キャッチ—-トリックの着地のこと。単に着地そのものを指すこともあれば、着地バリエーションを表したりする。例えば、バットバウンス・ダブルドロップニーキャッチといえば、バットバウンスのダブルニー着地のバリエーション技のことを指す。
  • ジビングjibbing—途切れることなく連続ジャンプをすること。ホッピングともいう人も増えた。

その他

  • セッションSession—–仲間と一緒に楽しむこと。積極的にセッションする場合、条件やトリックなど示して競い合うこともできる。2人同時にライドして落とし合いをしたりとか・・・。もちろん、どっちが凄いか次々とトリックを繰り出したり。
  • 一対一 one on one——-コンペの対決方式。ギボンの大会では一人持ち時間2分間の間に落ちたら交代して交互にライニングを行いパフォーマンスを競う。制限時間は15秒までオーバーしてもトリックが認められると国際ルールに有る。最初は一人の持ち時間では無く、全体の持ち時間だった。つまり、スグ落ちると相手の時間になっていた。
  • 大会・コンペ—-年に数回ギボン主催でワールドカップツアーが行われている。日本でもギボン主催で「NIPPONN OPEN SLACKLINE MPIONSHIP」が年に一度秋に開かれている。他にもオンラインコンテストの「キングオブスラックライン」も行われており、秋に全世界からエントリービデオが投稿されている。
  • King of Slackline—-2009年から毎年行われるギボンのオンラインコンテスト。その年の世界一を決めるコンテストで、一番になるとギボンのナショナルライダーとなってワールドカップなどの常連になる資格が得られる。女性用はQueen of Slacklineで、2011年からはじまった。最初は簡単なトリックなので参加するだけでも楽しいコンテスト。参加者は年々増えていて難易度は上がってきている。2014年に終了。
  • ギボンカップ—-春から秋にかけて各地で4-5回行われるトリックラインの大会。地元のライダーからトップライダーまで出場する。参加は申し込めば誰でも可能。
  • 日本オープン—-東京で秋に秋に開催される大会。招待制で日本一を決める国内で最も大きな大会。
  • ランキング—日本スラックライン連盟がギボンカップと日本オープンのポイントをもとに男女別でランキングを作成している。
  • パフォーマンスPerformance—-トリックなどをしてみて楽しませること。またはライダーの実力自体を示す。
  • ライダーRider(Liner)—-スラックラインをする人のこと。Linerも同じ意味。
  • ライディングRidding(Lining)—–ラインに乗ること。乗っていること。Liningとも言う。
  • サポートライダーSuport Rider—-メーカーの支援を受けてライディングする人のこと。プロライダーともいう。
  • 自己責任(オウンリスク)ーーーケガしても知らないよ。オウンリスク。
  • キックアウト—公園から使用禁止をくらって追い出されること。
  • 日本スラックライン連盟—日本で最初に発足した団体。ギボンジャパンが主体となっている。大会やインストラクター制度、バッチテストなどを行っている。
  • スラックライン推進機構—小布施スラックラインとそのグループが立ち上げた団体。主に秋に行われるフルコンボを開催することがメイン。国内大会と国際大会を毎年交互に開催している。
  • スラッグラインSlugline—-間違えてスラッグラインというひともいる。SNSでも多数見かける。スラッグとはナメクジの意味なので、スラッグラインとはナメクジが通過した跡に残るテカテカ光る粘着物のこと。