120mのウルトラロングラインを張った

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slackline.jpを書いている人
歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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中之島公園に集まる


24日は昼からみやま市の中之島公園にてスラックラインin福岡のメンバーで集まってスラックラインをやりました。急遽前日に決定したのですが、瞬間最大参加者は10人以上とにぎやかな集まりでした。時々このblogに書きこんでくれるtsunajiiさんにも連絡したので来てくれました。
中之島公園は基本的にいつもガラガラの人の少ない公園なんですが、夏休みにも入り泳ぎに来ている人が結構いて臨時の駐車場というか路肩が車でいっぱいになってました。

巨木エリアは避けて、少し細い木のある所にラインを張りました。この公園は全体が大きな森なので日陰の場所がたくさんあり、夏でも比較的涼しいです。すぐ隣は大きな川(矢部川)ですし、冷たい風も時々吹き込んできます。メンバーが集まるまで、自分は12mのラインでバウンス系の練習。この長さだと、少し高めに設置したほうがよかったかな。かなり巻いたつもりでも、バットで接地する場合もありました。
初心者の方もいたので、通常ラインが3本。
人数が集まってからは、メインのロングラインのセットアップを開始します。


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52mのロングライン


まず、実測支点間距離52mラインを張りました。木の支点にはどちらもラインロッカーを使っていますから、ちゃんと木と木の間が歩けます。スラックプロのシステムの利点です。まず、こうちゃんが数回目のチャレンジで完歩。次にワンダーくん。自分もなんとか3番手でしたが、完歩できました。

120mの日本記録クラスのロングライン

ロングラインのセットアップ、ウインチで巻き上げる
そして、提案がありもっと長いのを張ることに。目星が付けられた場所がかなりの距離でとりあえずメジャーで測ると122mくらい。自分の持っているラインは125mなのでギリギリっぽかったですが、実際伸ばしてみると余裕でラインがとどいたのでセットアップ開始。もしかして、ラインはおまけで130mくらいあるのでは?と思いました。
52mの時は1.5mのチェーンのウインチを2回巻きとりましたが、今回は5回繰り返してテンションをかけました。中央部分で接地の可能性もあり、とにかくひたすら巻きあげてテンションをかけました。この作業は一人じゃ無理。。。とにかく重労働。

ラインの伸びを測ると6%ほど長くなっていました。メーカのHPでラインの仕様を確認すると15kNで5%、20kN以下で6%伸びると記載されています。たぶん、15kNのウインチで可能な最高クラスのテンションがかかっていたと思います。プーリーで折り返せば、さらにテンションをかけることも可能ですが、120mクラスであってもこれ以上のテンションをかける必要はないと思いました。ラインロッカーなども15kNまでが推奨テンションですし(破断は40kN)。

その結果かなりギチギチにラインが張れました。ラインを叩くとビヨビヨーンと反響して反対側の支点までその揺れが伝わります。そして揺れと揺れがぶつかって、中央付近でラインが踊ります。

早速歩かせてもらいましたが、支点での高さは2mより若干低いくらい。むちゃくちゃ高いわけではなく、成人男性ならなんとか怖がらず飛び降りてもokって感じ。

最初の5mを超えると別次元の世界です。自分はどちらかというと大股で早く歩く癖があるので、ラインはどうしても揺らしてしまいながら歩くのですが、その揺れの増幅が半端ない。50mクラスならその揺れを下半身で吸収したり、コントロールできるのですが、この状況だと無理。前方のラインを見ると派手に踊ってます。とにかく耐えて持ち直すことが無理なんです。揺れを起こさないで歩く神業クラスの歩行技術が必要と実感しました。ライン歩行は体をラインに対応させる、ある種の「慣れ」が必要ですがこの長さも「慣れ」れば歩けるんだろうか??
画像:スラックラインのロングライン
一方、コウちゃんはさすがで私と比べると揺れがあんまり起きない。なので、一番遠くまで歩けていました。さすが。

設置や安全管理

ロングラインはセットアップが大変なので、複数人でやることも多いと思います。でも、当然ながら慣れないことだし、使う道具は専用の物で、かけるテンションも強いのでセットアップ中の事故が起こる可能性があります。途中ヒヤリとしたことが3回ありました。テンション開放中が2回、テンションをかける最中が1回。自分もまだまだ慣れないのであまり気が回らなかったのですが、今後は注意したいと思います。

とりあえず、ロングラインの場合は以下の注意点を思いつきました。

  • テンションをかける前にアンカーテープのチェックをする
  • テンションをかける最中は、ラインの線上近くは危ない。線上にギアが飛ぶ可能性がある。
  • テンション開放は細心の注意と前もって安全に出来るようにちゃんと考えておく
  • バックアップをしておく。ラインロッカーから出したラインを結んだり。別のラインを使う。50mならさほど余裕はいらないが、120mは十分な長さを確保したほうがいい。
  • バックアップはテンション開放の前に、解除しておくこと
  • アイテム数が増えるので、名前や目印を張っておくこと
  • ツリーウェアは多めに(もちろん名前も)(自作したので沢山あります)

スラックプロのラインはアンカーテープを緩めることでテンションの開放を行いますが、今回二回ともあまりスムーズに行かなくてアンカーテープも痛みました。手伝っている人にヒヤリとさせたこともありました。特に120mクラスはかなり大変つーかよく解んなかったです。自分としてはマニュアル通りにやっているつもりなんですが、いつもやっている時とはラインの長さや木の直径などでそれぞれ状況が異なり、自分としては想定外の感じでした。

スラックプロのテンション開放に使うアイテムで「linebuckle (sackbuckle)」ってのがあるんですが、最近はこれを使っていなかったんです。ラインロッカーと組み合わせて使うらしいんですが、あまり使い方も解んなかったんですよねこれ。なんとなくは想像できるんだけど、惜しいかな肝心の解説ページには間違った使用法しか記載されてませんhttp://www.slackpro.de/en/warnings/warn_slackbuck.shtml。スラックプロに問い合わせたのですが、動画と英語の解説書がてきたら送るといわれたのですが、もうだいぶ前なのにまだ届いてません。画像だけでもいいから作って欲しい。
まぁ、ある程度長いラインを設置したらリリース用のアンカーテープは痛むのは仕方ないんでしょう。120mというかなりの長さですし。

■追記:あとで思ったんだけど、アンカーテープを木に巻く回数が多くて緩めるときに結果痛むことにつながったのかも。
■追記:ラインバックルの使い方判明しました。

120mラインは設置されたのは日本初?

ところで、実測122mラインが設置されたのは日本初かもです。とりあえず、九州初は間違いないでしょう。今度、100mメジャーを持って行って正式な長さを測ろうと思います。でも設置も大変だし、完歩の実現はまだ遠そうです。