リギングマスターへの道、マルチプライヤー(倍力)レイアウト一覧。

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作成に約 118 分かかりました。

どうでもいい無駄知識かもしれませんが、バールベックの巨石さえ動かせるはずの技術です。

プーリーを使ってラインを張るときにはこれらのレイアウトが必要不可欠。

物量を駆使すればさらに楽?かどうかは自分で道具をそろえて張ってみないとね。
仲間がいるなら3:1で楽しくどうぞ。

この一覧紹介記事はこちらの補完記事になります。

ロングラインでのプーリーシステム定番レイアウトの紹介
30m以上のラインを張る場合は、プーリーシステムが大活躍します。 お金はある。やる気もある。でも、なんか難しいそうという人も多いかもしれませんが、定番の決まりきったレイアウトを組め...
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歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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まず説明

スラックラインの場合は5:1などのメインテンショニングシステムとサブテンショニングシステムをかけわせて使います。
今回紹介するこれらはサブテンショニングシステム。

システムをかけ合わせる倍力はマルチプライヤーといいますが、ピギーバック(おんぶ)とかコンパウンドともいいます。要するにアッセンダーなどのロープグラブでつかんで倍率を増やす行為。まさにリギングって感じ。

テンション保持は行わずに、ラインを引くだけのシステムですので決まり切った方法はなく自在に組み立てられます。
ロングラインを張る場合はとりあえず3:1から始めて、自分に必要なものを追加していけばいいでしょう。

想定
5:1、ブレーキはエディ。ラインはポリエステル。一人。

3:1(シンプル)  ★★★

★はお勧め度(最大3)

3:1はマルチプライヤーの基本であり入門。
通称Zリグ。
通常は必須。
細ロープを使うようなメーカーオリジナルのプーリーセットなどでもこれは基本。

60mクラスまではこいつと気合でどうにかなります。強靭な肉体があれば100mでさえ。
3:1にこだわって3インチシングルとか用意するのも素敵。

5:1(シンプル) ★★


5:1はダブルを追加するという少し贅沢なレイアウト。余ったダブルプーリーがあるなら使いたい。

そこそこ強く、ロープを引く量も倍ほどまで増えないのでバランスはイイ。
個人的には愛用しています。
80mクラスまでならこれで引ける。

追加アンカーポイントが一つ必要

リダイレクト 5:1(コンプレックス) ★★


リダイレクト入り5:1。

前のアッセンダーを2で引き、ブレーキ経由のロープは3で引く。
ゆえに5倍。リダイレクトして逆にクランプする方式をコンプレックスという。

注意すべきはブレーキでリダイレクトされること。
摩擦効率を直に掛けるのでカムタイプのブレーキだと効率が落ちる。

プーリータイプのブレーキに適している。
最初のプーリーもアセンダーにはリダイレクトのロスがかかる。
それでも軽くなるのは間違いないので少しでも楽に張りたい場合はやる価値はある。

追加アンカーポイントは必要無し。

リダイレクトプーリーとは?
方向を変えるだけのプーリーです。ほかのプーリーよりも摩擦の影響を受け易い。計算する際は単に摩擦効率の数値をかけ合わせればいい。

7:1(シンプル)★


7:1は紹介しつつも、やったことないレイアウト。無駄も多い。ここまでプーリーをつなげると効率が悪くなります。アッセンダーでさらに倍にした方が良い。

こんなことせずに9:1にシフトアップしましょう。

ダブルを生かしたいなら11:1にシフトアップ。
ダブル使わないなら3→9がおすすめ。

アンカー側はダブルプーリーでももちろん可能。シングルの場合は大きさを考えましょう。

リダイレクト 7:1(コンプレックス) ★


レアな存在であろう。
リダイレクト7:1は追加のアンカーポイント無しでどこまで引けるかという挑戦で得あり、リダイレクトなんて糞くらえな強引さ。

リダイレクト入り5:1からシングルプーリーを一つ追加するだけでと、まぁ何ともスマート。

ぬ?わざわざ画像みたいにダブルプーリーに差し替えて使うのと思ったあなた。
ペツルベーシックは実はシングルプーリーが二つかけれる。

知らんかったでしょう!

ただし、カラビナの大きさやプーリーの大きさによっては正常に機能しないケースあり。

アンカーポイントもそうですが、一つのカラビナに二つのプーリーを接続したいケースもあるでしょう。そういう時は短い5cmや10cmのスリングを作って使えば接続ができますし、無理やりカラビナに二つかけることも可能な場合があります。

9:1 コンパウンド ★★★


いよいよ優等生登場。9:1君です。
見よこのシンプルさ。3×3=9。
ロープクランプ二つとシングルプーリー三つ。
ショボいプーリーでも効率が落ちにくいタフさを併せ持つ。

一人でも100m張るなら最低でもこのくらいは用意したい。

3→9とシフトアップするまではスマートだが、これからの発展性は悩む。
優等生ゆえに伸び悩む。

画像は前のがペツルのアッセンダーベーシック、後ろの手元の近い方がペツルのレスキューセンダーです。

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レスキューセンダーはいい道具ですが、本来ならこのようなリギング用途には適しません。ぬれたロープや細いロープでは対応範囲を守っても滑ります。

リダイレクト 11:1 コンプレックス ★★


ダブルプーリー利用の5:1にアセンダー1とプーリー1を追加することで実現できる11:1。

リダイレクトが入るが、ブレーキのリダイレクトにはならないのでカムタイプのブレーキでも使いやすい。
3→5→11とシフトアップするとスマート。
自然とこの形になる。

ま、一人で張らない限りここまですることはレアケースだと思います。

2+3+3+3=11
2+3*3=11
3*4-1=11

どう表記すべきか。

15:1 コンパウンド ★


ほぼ最終形態となる15:1。
もちろん後ろはシングルプーリー利用でも可。
一度しかやったことない。

メインが5:1だとすると75:1となり、ラインを1m引くのに75mも引く必要がある。
これほどまでにロープの量が増えると、大変。
軽いのは有難いんだけど。
人は体重くらいは引けるらしいので、50kgで引いたら摩擦考慮なしの単純計算で3750kgまで引ける。まじかよ。

軽く引けるときは3:1でガンガン引き、固くなったらプーリーを追加する。
その限界がこのあたり。
プーリー増えるとロスが積み重なるのでなるべく大きい(良い)プーリーを使いたい。

スムーズなシフトアップ

3→9
3→5→11か15
3→リダイレクト5→リダイレクト7

と三系統でほぼ網羅してるはず。

自分は軽量セットならcパターン、100クラスならBパターン。
Aはほとんどやらない。
9:1はお勧め度★★★なのにさ。

シンプル、コンプレックス、コンパウンド

マルチプライヤーには大別して三種類あります。
アメリカのレスキューの本に書いてありました。

シンプルはただつないだだけ、3:1 5:1 7:1がそれにあたります。

コンプレックスはクランプ二か所のリダイレクト入り、リダイレクトありの5:1 7:1 11:1がそれ。

コンパウンドは9:1、15:1。

まとめ

画像撮ったので一覧にしてみました。
やっつけ仕事で適当です。

でもサブテンショニング部分は奥というか沼が深かったり。

あまりここで強い力で引くとブレーキの前のロープクランプ(アッセンダー)の個所で傷む可能性があるかもしれない。ロープは新しくて太い方がもちろん安心だけどメーカーによってはすぐに凹んだりするロープもある。

メイン倍率が大きいほどロープとブレーキの負荷は減る。強く張る効果はさほど変わらないが、引く量は多い。

サブテンショニング用品は張り終わったら外しましょう。
ある程度強く引いたら心配な場合は途中でもバックアップ。

サブテンショニングシステムではブレーキは一番目のプーリー扱いです。ではブレーキが前にも後ろにも動かない場合(詰まった)はラインは張れるでしょうか?答えは張れます。そのテンションをロックできませんが。例えば3:1の場合は2:1と同じです。そしてそれはつまり、別ロープで引くことと同じことです。
これと同じ理屈でメインシステムの1番最初のプーリーが動かなくなった場合は倍率が-1になったと同じ。んで、ブレーキの前のプーリーが動かなくなると1:1となります。

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