ソフトリリースは自作もできる
ソフトリリースはプーリーシステムのブレーキでテンションをリリースするのではなく、あらかじめ準備した何重にも巻いたラインでリリースします。安全なリリース法ではありますが、状況により突如リリースされる可能性もあるので一度軽テンションで試してから使うことをお勧めします。
今回は手作りを紹介しますが、市販品もあるのでそちらの方が安心です。
最後の方に紹介しています。
準備するもの
シャックル*2
ラインロッカー*1
リリース用ライン(2インチ)10m
ゴム(支柱結束用)やベルクロで締めるストラップなど
作り方
薄めの歩行ラインやリリース用のウェビングを用意します。長さあとりあえず10mあれば問題ありません。厚い歩行用ラインは適しませんが、先端3mだけそれを使い残りは適当な薄く強度のないウェビングを縫い付けて使う方法もあります。
ナインノットやテープ結び(テープベント)でボルトを通すところ作り、そこを中心にして外側に何重も重ねていく。
※結びの末端は十分に余裕をとること
5・6回以上巻くが、今回のようにゴムので緩まないようにしているだけだと不安なので7回がおすすめ。バランスコミュニティでは6回巻くように案内しています。
最初の結び目にアンカー側のシャックルのボルトを通す。
反対側の歩行ラインにシャックルのおたふく側(カーブしている方)を通してラインロッカーと接続する。
大事な事なので二回います、リリース時にはウェビングが強いテンションを保ったまま流れていきます。ですからシャックルのボルトが回ってしまう可能性があるのです。それを防ぐために、ソフトリリースの起点をシャックルのボルト側にもっていきます。
※ただし、シャックルのボルトがネジタイプでなくピンの場合は回っても問題ありません。
ゴムなどで絞って緩まないようにする。
これで完成。
仮止め状態だが完成。これが緩むと少々面倒なことになって危険な場合もある。
もちろん末端はバックアップとしてどこかに結ぶべきだが、あまりいい場所がない。
※ソフトリリースの最後の末端部分をアンカーに結ぶことで破断時のバックアップとすることも可能です(ウェビングの強度がある程度必要)。もし作動した場合はソフトリリースを切るだけでokです(ももしくは切る必要すらない)。歩行ラインの末端を結ぶよりも合理的になります。その場合は歩行ラインをバックアップで結ぶ必要はないと思っています。
これはラインロッカーに結んだ例。
シャックルに適当に結んでも振動で外れるだろう。もし仮止めがはずれてバックアップが作動すると結び目が解けない事態も考えられる。テンションが抜けて余裕を持ったところで作動した方が良い???答えは自分で考えるしかないのかな。
SLACKTIVITYやbalancecommunityでは別にストラップで固定している。ベルクロや締め込みストラップで止める。
ほぼ完ぺきな形。ラインロッカーの形状によっては直接接続もできる
これはスラックプロのラインロッカーとソフトリリース。
ラインと同じ理屈でロックするので安全性が高い。もう売ってない。シンプルなラインロッカーはボルトを抜いて接続が可能、このラインロッカーは取り外ししやすいようにナットをさらにピンでとめるタイプとなっている。ナットは閉められているわけでなく、軽くて緩々。
直接スローリリースが接続できるラインロッカーは便利。
シーホースなど。
長さの目安
ソフトリリースの長さだけど10mあればギリギリ100mくらいまで対応できる。
目安としては50m位なら10m前後を考えておけばいい。メーカーの物はもう少し短い場合がある。
伸び率が高いラインならもっと長い方が安心。自分の場合は20mのウェビングを使用しています。先端が痛んだら切るので少しずつ短くなっています。20mあれば150mくらいまで使えます。長すぎるとリリース時にちょっとうざいんですけど、デメリットというほどではありません。対応力を考えたら長い方が優れています。
安全マージンを含んだ長さの目安
- 30m ライン 5m
- 50mライン 10m
- 100m 20m
リリースのやり方
まず、ソフトリース側アンカー周りのバックアップを全て外す。
結束しているソフトリリース部分を慎重に解く。その際にソフトリリースが緩まないように常に手で引っ張っておく。
準備が整ったら手を少しゆるめる。6回巻いたなら多分動かないはずなので更に緩める。
ブッブッとラインが動くので慎重に緩める。
歩行ラインの方が弛んで来たらひと安心。あとはどんどん緩めるだけ。
注意点
ソフトリリースはハイテンションが得意のようで実は苦手。ランクルのサイトにもローテンションのラインで使えって書かれている。バランスコムコミュニティにもハイテンションでのリリースは危険と書かれている。なぜなら、リリース動作直後に強い摩擦運動が発生してウェビングが明らかに痛むから。
いったんリリースし始めると大部分のテンションがソフトリリースの起点部分と最初の折り返し部分にかかってしまう。見る見るうちにリリース部分が傷んでいく。だからこの点において巻く回数を増やしてもさほど意味がない。巻く回数を増しす利点は仮止めに余裕ができること。
※自作の場合傷んだところを切り詰めて使えるのが利点。
市販品
手作りしたいならレニーに15m薄型ウェビングがあります。サグラインのようなテンションを掛けないなら人も乗れて、良く伸びる楽しいラインです。
しかし、ソフトリリースにしか使わず通販でどうせ買うならスラックラインリサーチでソフトリリースを買った方が賢いです。
エクスエイラーにもソフトリリースがあります。スパイダースラックラインズと書かれていますが、スラックイノブが売っているモデルです。3Mだけ歩行用の丈夫なラインでそれ以降は薄いベルトとなっています。
シャックルも売っているのでソフトリリースとセットで買いましょう。お金に余裕がある人はリサーチでキングピン買いましょう。軽いしカッコいいです(アルミなのでハイラインで使う気は?)。接続も自在にできますし、ラインロッカーにもできます。
別のやり方 アンカーストラップでリリースする方法
軽テンションならこちらもおススメ
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