夕暮れの緩々ウォーターライン。孤高の水上かつ雲上スラックラインはいかが?

この記事は約 4 分で読めます。 投稿から 6年。最終更新から 4年経過。
作成に約 59 分かかりました。

夕暮れウォーターライン

こんばんわ。
今日は4時起きで仕事しておりました。

仕事が終わったのが日も沈みかけた18時。
それから急いで夕食を食べて車に乗り込む。

ウォーターラインの駐車場に着いたのは19時。
リュックを背負い腰までジャブジャブ水に漬かりながら歩いて現場に5分で着く。

日は沈んだが、谷には明るい空からの光がまだ残っている。待ち兼ねたようにヒグラシがカナカナカナと鳴き始める。

ワクワクワクとヒグラシに負けじと自分の胸が高鳴り始める。

早く張らねば。
暗がりで急いでしまい、手が震える。

早く準備しようと焦るが心を落ち着かせる。

そんなんじゃ歩けませんよと言い聞かせ、セッティング完了。

5分もかからない。

だって、テンションすら無いノーテンションライン。
ランロッカーにラインを通したら手で引くだけで終わり。

長さ15m、サグ2m少々という数値的には何処にでもありそうなラインが張れた。

そしてラインに取り付く。
立ち上がる前に、呼吸を忘れないようにと言い聞かせて肩をゴニョゴニョッとほぐして背を少し伸ばす。

すくっと立ったらまず、ラインと自分の関係を確認。

ふむふむ。

ラインの上げ下を冷静に感じ取れることを確認したら、足を前に進める。

ラインが上下、前後、左右に歩く感覚を確かめるようにして、スススと前へ。

ラインと体のこと以外は何も考えていない。

不思議と頭の中が空っぽ。
良い兆候だ。

中心部を過ぎ、向こう側のアンカーまであと1mというところで、ラインに腰を下ろそう。
でもあれ、緩いとむずいんだよねぇ。

む?
どうやるんだったっけ?

何がどうなったか理解できないうちにボッチャン。

そしてあたりを見回して思う。

スラックライン最高! USA!USA!USA!

すぐさま二便目に乗線。

落ちる気はしない。
崩れても立て直せる。

15mだし。


ここに張ったのは3回目だが、1回目は20m高さ3mのなかなか難しいラインと思っていた。
やっぱり高度感あるウィーター歩きにくいよぁ~とか思った。
足がガクガクで安定しない。

しかし、二回目張った時は時間の余裕もあり、セッティングもスムーズ。
そういやと思い、距離を測ると15mしかなかった。

え、全然短いし、高さも冷静に見れば特に高くないよね。

心とは単純なものだ。
緩くて高いといっても長さはたったの15mじゃんと思ってみると、普通のウォーターラインが目の前に張ってる感覚。

On the line して歩くと。うん。大丈夫。普通に気持ちよく歩ける。気負抜くと落ちるが。
前回の難しさはどこに行ったのだろう。

ま、乱暴に言えば慣れだよね。

あはは。あはは。
と笑みがこぼれる。

はい。

ずっと一人でやってます。

ひとりだけのウォーターライン。
もう日も沈んでるのに、虫の音聞きながら、水の音聞きながらのウォーターラインなんて最高の贅沢だ。

恐怖や戸惑い、緊張、驚きや、発見、笑い。
自分で張ったラインを相手に、心と体が解されて軽くなっていく。

少し冷たい水に体と心の芯まで洗われる。

何のためにこんな時間にこんな場所に張りに来たのか。
自分でも笑える。

乗りたかったんだろう。

スラックラインに。

いや、乗せてもらいたかったのかも。

いつも、ありがとう。

帰りはすっかり暗くなっていた。
ライトを頼りに足を濡らしながら歩いていると、平尾台に通ってケイビング三昧だった日を思い出した。

暗闇が懐かしい。

帰り道では火星がレーザー光線でも放つかのような強力な光を放っている。
朝4時に起きて家を出たとき、これから太陽に追い出されるように沈んでいくであろう火星を見ていたんだ。

今回の道具

スラックプロのアンカーテープ (歩行用ライン)
スラックプロラインロッカー2
アルミカラビナ4 (アンカー用)
スチールカラビナ2 (マスターポイント用)
ライン養生用ツリーウェア
ナイロンスリング120㎝2

スラックプロのアンカーテープはノーテンションの緩め歩行用ラインとしてはこれ以上ないほど極上。まるで雲の上を歩くかのような歩行感覚。
これはもう売ってないので薄くてペラペラのラインもぜひお試しあれ!BCのフェザーとか。