誰もが知る287年前の古典に書かれた綱渡りがスラックラインっぽい件

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Gullivers_travels
「綱渡り」は古代ローマ時代から見世物として存在したそうです。
実際には、もっと昔かもしれません。

そして以下の引用文は、イギリスで1726年に出版されたある古典文学の一場面です。
なんともスラックラインっぽい描写が出てきます。単に渡るだけじゃない。いくつかの点の描写がスラックラインぽいのです。

なぜ「綱渡り」はなく「スラックライン」的なのか。
それは下にクッションがしかれているという所です。大道芸の感覚なら、落ちないことを前提にしているのでクッションは無いですよね。あと、技を競うってことも、現在主流のフリースタイルなスラックライン的で興味深いです。

何の本かわかりますか?著作権切れで無料で全文が青空文庫で公開されています。この本には架空の国いくつか登場しますが、日本は実名で登場します。この本は日本と関わりが深いんです。22回も日本という単語が出てきます。

画像はWikipediaの著作権フリー画像

人々はもう私を見でも、だん/\怖がらなくなりました。私は寝ころんだまゝ、手の上で五六人の人間を踊らせたりしました。ときには、子供たちがやって来て、私の髪の毛の間で、かくれんぼうをして遊ぶこともあります。もう私は彼等の言葉を聞いたり、話したりすることに馴れていました。
 ある日、皇帝は、この国の見世物をやって見せて、私を喜ばしてくれました。それは実際、素晴しい見世物でした。なかでも面白かったのは、綱渡りです。これは地面から二フィート十二インチばかりに、細い白糸を張って、その上でやります。
 この曲芸は、宮廷の高い地位につきたいと望んでいる人たちが、出て演じるのでした。選手たちは子供のときから、この芸を仕込まれるのです。仮に、宮廷の高官が死んで、その椅子が一つ空いたとします。すると、五六人の候補者が、綱渡りをして皇帝に御覧にいれます。中で一番高く跳び上って落ちない者が、その空いた椅子に腰かけさせてもらえるのです。
 ときには大臣たちが、この曲芸をして、こんなに高く跳べますよと、皇帝に御覧にいれることもあります。大蔵大臣のフリムナップなど、実にあざやかで、高く跳び上ります。私は彼が細い糸の上に皿を置いて、その上でとんぼ返りをするところを見ました。
 だが、この曲芸ではとき/″\、死人や怪我人を出すことがあります。私も選手が手足をくじいたのを二三回見ました。中でも、一番あぶないのは、大臣たちの曲芸です。それはお互に仲間の者に負けまいとして、あんまり気張ってやるので、よく綱から落っこちます。大蔵大臣のフリムナップでさえ、一度なんか、も少しで頭の骨を折るところでしたが、下に国王のクッションがあったので、助かったということです。

2フィート12インチは91cmです。
技の派手さで、大臣ポスト決めるってすごい国だ。スラックライナーにとっての夢の国がこんな所にあったとは!





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