プーリーシステムでロングラインを張る場合、もしどこかが壊れると道具が飛ぶ恐れがあります。そこで道具の破断に備えてバックアっプが必要です。簡単に紹介します。
メインのバックアップはプーリーシステムの飛びを防ぐ
ロングラインでのメインバックアップはプーリーシステム全体のバックアップになります。プーリーシステムにはプーリーやらブレーキやらロープなどがアンカースリングやマスターポイントが破断した際に対面アンカーにミサイルのように飛ぶことを防ぐためのバックアップです。
作り方は簡単でプーリーシステムの余ったロープでライン側のプーリーシステムの先端ととアンカーを結べばよいです。
バックアップロープの弛みの長さのについてはテンション量やその人の考え方によりますが、自分は緩めにしてます。その理由は自分一人で乗っているから。イベントやほかの人が来る場合は短くします。
余ったラインでエクストラバックアップ
両方のアンカーの余ったラインを木の根元に結んでエクストラバックアップとします。エクストラというだけあり、「ついで」「追加」のバックアップとなります。スタティック側はアンカースリングとマスターポイント(シャックルなど)の破断、ダイナミック側はプーリーシステムとアンカースリング、マスターポイントの破断に対応でき、両側これを作れば最低限のバックアップは作ったことになります。
ラインを結ぶと結び目で強度が半分程度まで落ち、歩行ラインのテンションをそのまま受けると切れてしまいます。なので最低限に金属部品などが大きく飛ばないようにするのが役割です。
バックアップのラインを短くして結んでしまうとテンションに耐えられない可能性があるので、通常は少し余裕を持たせます。ただこれも考え方やテンション量によりけりなので自分で考えてみてください。
ソフトリースは万能で安心安全
ソフトリリースを使えばプリーシステムとは別にテンション開放が可能となります。いろんな面で便利です。
通常はスタティック側に接続します。やり方はいろいろありますが、手作りタイプは強風の微振動などで緩む可能性があるので気を付けてください。自分は一度強風で結びが解けて解放されていしまいました。しかしソフトリリースの性質上、一気にテンションが解放されることのない優れものです。
安全に万全を期すならソフトリリースの余った末端をアンカーに結ぶのも一応バックアップとすることも可能ですが、状況を考えるとソフトリリー末端のバックアアップはしない方が都合がいいでしょう。
ブレーキのバックアップは必要?
ブレーキから出たロープををどこかに結ぶ方法が以前より使われていました。これはレスキューやロープワークで下降器を使用する際は仮固定や本固定することに由来しています(緩んだら人命にかかわるから)。しかしスラックラインの場合はブレーキが壊れてロープが流れた際はテンション開放が不可能になります。結び目に強い力が加わったままになるので解けませんし、結び目がブレーキに詰まる事態も予想されます。そうなると何処かを切るしか開放する手段はありません(もしくは、ライングリップを使い別のプーリーシステムで引く方法など)。
最近はブレーキのバックアップは作らないようにしています。もし作るならソフトリリースを使う場合のみにしています。
つまり、自分の場合はセルフジャミングプーリーをブレーキとして使う場合のみ。エディやMPD、スラックラインブラザーズを使う場合でソフトリリースが不要な場合はもしもの場合にロープが流れるようにまとめて下においています。
ブレーキのバックアップをするともしもの際にテンションが解放できなくなる場合があるので、ソフトリリースを接続するのがお勧め。100mを超えるようなラインではブレーキのバックアップとソフトリリース(保険として)の両方を採用するべきでしょう。
歩行ラインの断絶には対応不可
紹介したバックアップはアンカーやプーリーシステムの破断やトラブル時に作動するものです。歩行ラインの断絶には対応できません。あからさまに古いラインは強いテンションでは使わないのが賢明です。
ライングリップやハングオーバーシステムを使えば安全性アップ
ライングリップを使えばプーリーシステムを外せるので安全性が高くなります。必然的にソフトリリースも必要となるので、なにかと安心。ハングオーバーシステムも同様で、歩行時に不必要なものを外せます。
エイトノット
もやい結び
まとめ
バックアップについて紹介しましたが、大事なのは破断しないこと。どのポイントにどの位の力がかかるかキチンと把握してください。特に注意すべきはラインのテンションよりも強い力がかかる場所。それからラインと同じ力がかかる場所。
テンション量が軽ければ適当でもいいんですが、テンションが強かったりする場合張っている途中でもバックアップを作成しましょう。ちゃんと道具に間違いがないかのチェックも大事!
やり方に正解は無いのであれこれ想像してやってみてくださいね。