ブレーキは前でも使える
プーリーシステムのブレーキは前においても大きな問題があるわけじゃありません。
絡まって伸ばしにくいスラックジャッは本来はブレーキ後ろで使うのですが、自分は逆にして前ばかりで使ってます。
こいつは絡まりやすい道具でなんですが、ブレーキが前だと締めこんだ状態から引き伸ばしやすいのです。
ブレーキ部分を手で調整しながら後ずさりして伸ばせます。
ダイレクトに引くと倍率は6から5落ちますが、マルチプライヤーで引けば特に気になりません。
一般的なシステムの場合はプーリータイプのブレーキだったら採用価値があります。
根本的なプーリー数や倍率は変わりませんが、アンカーのリギングポイントの有無やリダイレクト入りのマルチプライヤーを使う場合とか少し効率がいいです。
要するに最終的にどういう形で引くか。
もしかしたらその形の時に、フロントブレーキの方が効率が良いかもしれないということ。
ディッセンダーをブレーキにする場合はあまり価値はありません。
ブレーキから出たロープを引く方式が無理だから。
以下、プロトラクションを使った先日のレイアウト例
6×3=18倍力。
プーリーは全部で6個(ブレーキ含まず)。アッセンダーひとつ。
通常のリアブレーキなら5×3の15倍力。
プーリーは全部で5個。アッセンダーひとつ。
つまり、マルチプライヤー部分につかえるプーリーが二つあるならフロントブレーキの方が強く引ける。
ブレーキより前にアッセンダー噛ませてダブルマルチプライヤー。
4×5+3×2=26倍力。
ロープは5で引くので二つのダブルプーリーには4×5。
ブレーキ部分は3×2で引くので合わせて26倍。
ブレーキの後ろにアッセンダー二つとプーリー二つでやると5倍。
プーリーより後ろなので6×5の30倍。ただしリダイレクト含む。
バックアップ
ソフトリリースあるとバックアップの考え方も楽に。
エクストラでラインも結んだ方がいいんでしょうけども。
テンションや飛ぶ距離、道具を想像すればさほど意味ないかなと思うが、結んだ方が良いのは確か。
ソフトリリース
ソフトリリース7mです。
前回、歩行テンション一歩手前でベルクロ仮止め、適当結びでやりましたが強い風の振動で解けました。メーカーの動画と同じようにセットしていたんだけどヌルンとテンション抜けた。
これはその改良型。
シャックルやウェビング部分に回して結ぶと振動で解ける可能性があります。
場合により想像以上に増幅してラインが振動します。
ロングでソフトリリース使う際は、風が強い場合はウィンドダンパー使用をお勧めします。末端をアンカーに結ぶのも良い。
機械的にロックする方法は安心感高め。
フロントブレーキについて要点
フロントにしたらといって特別に得するようなことはなく、プーリーの数などは変わらないです。
テンション保持の倍率も変わらない。
5:1を逆にしてフロントブレーキにすると6:1で引けますが、テンション保持は5:1のままです。ゆえに、システム倍率は5:1となります。ブレーキより後ろにアッセンダーつけて引く時だけ6:1。
保持 | ダイレクト | ブ前ア1プ1 | ブ後ア1プ2 | ブ前ア2プ2 |
---|---|---|---|---|
4:1ブ前 | 5:1 | 3×3+1×2=11 | 5×3=15 | 3×5+3×2=21 |
5:1ブ前 | 6:1 | 4×3+1×2=14 | 6×3=18 | 4×5+3×2=26 |
6:1ブ前 | 7:1 | 5×3+1×2=17 | 7×3=21 | 5×5+3×2=31 |
ブ前ア1プ1は損。アンカーを向いて引くのでリダイレクト-1かかる。
まとめ
フロントブレーキレイアウトの紹介でした。
通常のレイアウトに飽きた人向け。
トラクションプーリーのような高効率ブレーキならやってみる価値あるかも。バックアップの形はこちらの方がなんか良さげなので、5:1トラクションプーリーシステムの場合はフリントブレーキにするつもり。
SBプーリーも相性は良いけど、わざわざアンカーポイント作ってやるほどじゃない。
エディやグリグリなどのブレーキの場合は検討する価値もないが、もしかしたらレイアウト上の利点が見える場合もあるかも。
準備時に絡みやすかったり引き伸ばしにくい9:1システムとの相性はイイのかもしれません。
9:1の場合は逆向きリダイレクトで合計倍率が-1になる割合を減らせるので、ロスは少ない。フロントブレーキと通常のリアブレーキの違いは小さい。
ソフトリリースは強い風に注意。システムが震えるならウィンドダンパーほぼ必須。
おまけ。ダブルブレーキレイアウト
ロープはどちらからも引ける。
3人と3人で同時に引けばロングラインも瞬時に張れるかも。