スラックラインでは小さな子供の事故に注意

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slackline.jpを書いている人
歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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スポーツである限り事故で怪我してしまう可能性もある


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けが人が出ないスポーツなどあるでしょうか?単に道路を歩いていて転んで骨折とかするひとがいるってことは、どんなスポーツでも大怪我の可能性があります。不運やイレギュラーが重なって大怪我となってしまうことは、否定出来ません。

スラックラインは基本的には安全なスポーツです。でも、怪我のリスクは多かれ少なかれあります。怪我というより事故という方が正確かもしれません。
不幸にもこれから事故が起こり大怪我などがさせてしまう事例が出てこないように書いておきます。自分はこの点に関しては、意識が低いので、今後気をつけるぞという思いもあります。

そんな考えんでも適当にやればいいやんと思ったりもします。自分で危やさを感じ取りながら歩くのがスラックラインの面白さの1つの要因でも有ります。転ぶのも落ちるのも楽しいです。面白さや楽しさのついでに、危険を感じ取る感性も育てることが可能なわけです。しかしながら、ある程度の年齢ではないとその辺の感覚は理解しきれません。

※この記事は主に幼稚園から小学校低学年を想定した内容です。

イベントで子供を乗せることも多いですよね

最近は、全国で体験会などが定期的に開かれたり、何かのイベントなどでラインが張られたりしています。スラックライナーの集まりでも、短くて引くラインを近くに張る場合がほとんどです。
多くの場合は、通りがかりのファミリーを乗せる場合が多いんじゃないでしょうか。

どんなスポーツでもけがをする可能性があります。しかも大怪我を。ひどい場合は、後遺症や脳疾患、意識不明・死亡にまで繋がる可能性があります。スラックラインも例外では有りません。特に幼稚園児のような小さい子供は要注意です。ちなみにギボンラインの箱には対象年齢5歳以上と書かれていたはずです。もちろん、怪我しても知りませんよ!という危険なスポーツなので貴方自身の責任で遊んでくださいという注意書きもあります。

普段からスラックラインをやっている人は自分自身の怪我は、理解はできるはずです。皆がその程度の差はあるとしてもリスクは承知しているでしょう。スラックラインは危険性も感じつつ、それぞれが経験で学びながら上手になっていくスポーツだからです。

でも、怪我のリスクなどまったく知らない小さい子は、思わぬハプニングというか事故が起こる可能性があります。

最悪と不運が重なった例:読んで想像して下さい

公園の木に6mラインを張り体験用ラインとする。下はコンクリートだが、マットはたくさん持ってきている。
体験用ライン設置後、設置者が軽くテストして乗ってみる。

もう少しテンションをかけないとないとな・・・と、思っていた時に、一緒に準備している人がトリック用のラインのラチェットを巻いていたので、手伝う。

設置者の妹が連れてきていた、6歳の甥っ子が誰も見ていない隙にラインに座ろうとする。以前、ラインに座って皆で揺らしたら面白かったから。
他の人が準備に気を取られている隙に、ラインに一人で座る。

座った瞬間にバランスを後ろにくずして勢いをつけコンクリートに後頭部を強打。バコッとべコッの中間の大きな音

うずくまり、介抱して頭を冷やすも、数十分後に元気がなくなり吐き気を訴えゲーゲーと吐く。
そのまま救急車でレントゲンとCTのコース。
医者に状況を聞かれ、スラックラインのことなどを説明する。誰も見ていない隙に・・・。マットを引く前に・・・気づいたら・・・。

診断の結果、頭蓋骨陥没、脳内出血などなど。
意識がどんどん薄れ、緊急手術となった。

※これはフィクションです。わざと大げさに不運が重なる感じで考えました。

こんなこと起こるわけがないと思いますか?

どうでしょう?あなたの周りで起こりえそうですか?地面がコンクリートだったのがまずかったのでしょうか?誰も見ていなかったのがまずかったのでしょうか?準備中だから?慣れた身内の子だったから?

責任は誰に?

責任は誰にあるのでしょうか?ライン設置者でしょうか?連れてきて見ていなかった親でしょうか?それとも6歳児自身?集まりの主催者?公園でしょうか?行政?スラックラインメーカー?

答えはわかりません。裁判でしかハッキリしないでしょう。でも一番責任がありそうなのは、ラインの設置者か親でしょうね。

子供のスラックラインの怪我のケース(想像)

※この場合、切り傷や擦り傷などお怪我に含めません。

ラインに座っていたらひっくり返って頭を強打。
体験ラインから顔から落下、歯が折れる。
体験ラインから落下、腕の骨が折れる。
体験ラインから勢いよく飛び降りたと思ったら、近くにあった石のベンチの角で頭を強打。
高いトリック用のラインに一人で乗って頭から落下。

走り回っていてラチェットに気づかずにおもいっきりぶつかる。
走り回っていて、ラインに首に引っかかり勢い良く転倒。

トリックラインのどこかがぶっ壊れてアンカー近くに居た子供にぶち当たる。

トリックやっていた大人が失敗して飛んできて子どもとにぶつかる。
高テンションラインに乗っている大人を落とそうと子供がラインの揺らしていたら、大人が落ちた衝撃でラインが跳ね上がり子供が手首骨折。

ラインに何人も乗って遊ばせていたら、誰かが落ちバランスが崩れラインが跳ね上がって、一回転し頭から落下。
ラインで逆上がりさせたら、手を離してしまい頭からの脳天直下で落下。首を骨折。

などなど。
思いつくのはこんな感じ。もっとあるでしょう。

小さい子供の事故を防ぐ方法は?

ラインの本数は必要以上に張らない。準備中はラインに触らせない。なるべく地面は芝生か土が安心です。コンクリは避けたほうがいいでしょうね。
子供は初めての場合はサポートありで挑戦。高テンションで高いトリックラインは少し離した場所にしたり、3m以内に近づけさせないようにします
注意書きのボードも効果的かもしれません。でも、本当に小さい子供はそういうことは理解してくれません。

そして一番はずばりそのラインごとに、常に保護者およびスタッフがサポートすることでしょう。これだけで、小さい子が勝手にラインに乗ったり、落ちた時の怪我はかなり減らせるはずです。
なので、子どもを乗せる場合は保護者に見てもらいながら乗せることが望ましいです。子供だけ寄ってきたからといって、その子だけ乗せるのはあまり良くない気がします。
必要以上に制限する必要はないので、この子は大丈夫・怪我の要因も少ない環境だと思えたら、一人で歩かせてみましょう。ストックや上に張ったロープを使わせるのも、補助なしで歩いた達成感があるのでオススメです。

小学校高学年などのある程度大きな子供は友達同士で手を握られば十分でしょう。センスが有る子なら短時間でも一人で歩けるようになります。この瞬間は一番楽しいはずなので、なるべく尊重して大切にしたいところ。大人はラインが低いなら、いきなりでも全然問題有りません。

※地面が柔らかく、かなり短くてかなり低いラインなら子供だけでも問題ない場合もあります。同様に短いラックも大丈夫でしょう。

突発的な事故を防ぐには

いきなり走り回ってラインにぶつかる子どもがいます。目線的にラインが見えにくいんです。
危なっかしく走ったり、ラインの下をくぐっている子どもがいたら注意します。ぶつかりそうなところのラインのラチェットにはラチェットカバーかけたり、ツリーウェアを巻いておきます。

張ったけど、使わないラインは外しておいておきましょう。もしくは、目立つ目印をぶら下げるなどして下さい。

でも、不運やイレギュラーな事故はなかなか防げない

怪我を負わせるリスクが有るということを承知の上、体験会の主催者や設置者は小さい子供にはできるかぎりケアしてやるベキです。もし、それが出来ない状況なら、乗せるべきではないと思います。主催者は簡単な指針を持っていたほうがいいかも。わかりやすいのは保護者同伴・もしくはその許可をとるようにする。ある程度うまくなるまで誰かと手をつなぐようにさせること。

しかしながら、子どもが集まると何が起こるか予測不可能です。人が集まるほどその可能性も増えます。子供のテンションも上がります。
いろいろ注意点があると思います。コンクリートや準備中、慣れた子ども、元気の有り過ぎる子ども、、間違った設置などなど。いきなり出現する子供にも注意。言いつけるとかそういう話ではないです。要するに小さい子供がいるなら、誰か大人が注意深くラインまわりを見ているかどうかが、ポイント

一人で練習しながらもう一本で乗せるですと?

一人でトリック練習しながら、別に短いラインも張って子どもも乗せる!なんてのは自分には不可能です。
どこかの子どもが走ってきてもう一本のラインにぶつかるかもしれません。もしくはトリックやているうちに、どこからか出現した子供が体験ラインで派手に転んで悶絶するかも。いきなりエイヤと飛び乗る子供もいます。飛び越そうとして、引っかかって転ぶ子もいます。子供は神出鬼没で予想外の行動をとります。あっという間に何処からか現れます。これはマジです。

自分は一度そんなことが起こってから、やってません。初めて一人で二本張った時に、走っていた小さい子供がラインに引っかかりました。こちらは平謝りでしたが、その子の親はこちらを睨んで無言で去って行きました。ほんと最悪の思いでした。なんでこんなことやってんだろう・・・と、スラックラインをやることにアホくささを感じたくらいです。

なのでラインは一本しか張る気がしません。そのとき乗せたい人や、乗りたい人が来たら、トリック用でもサポートしながら乗ってもらいます。
一人の場合は二本同時管理の自信がない限りは諦めたほうが、いいのではと思います。

家族や知り合いがいるなら2本張る時もあります。

まとめ

小さい子供は注意。
とにかく事故には注意してください。
それなりのリスクを設置者や主催者が負うということは、忘れないほうがいいでしょう。

怪我をした子供に対しては気の毒では済まない話です。ラインを張った人自身も、今後忘れることができない記憶になります。


自分は登山や自然観察のガイドをやっていました。仕事として2回、ボランティアのような場面で1回、自分が案内していた時に骨折させたことが有ります。べつになんでもない場所で転んでの骨折。10年以上前のことなのに、いまだに思い出します。

ラインを張って誰かを乗せるということは、冷静に考えると結構なリスクが有ります。