呼吸とスラックライン

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slackline.jpを書いている人
歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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呼吸とスラックライン

呼吸_08

ロングを始めた時、ゴール近くで足が震えだして落ちていました。プレッシャーですね。簡単に言えば。

それをどうにかしたいと思い、わざと大きく長く息を吐くと落ち着いて大丈夫なことを発見しました。呼吸方を工夫すると、強制的に筋肉をリラックスさせる効果を生み出せるみたいです。特にロングの場合は、走っているわけでもないし息があがらないので途中で呼吸を意識的にやってもしてもほとんど問題ないです。トリックだとあんまり呼吸を意識する余裕はないかもしれません。

呼吸を意識するということは実際には深呼吸というより、息の吐き方を長くする呼吸法です。フーっと音がするように長く吐きます。
ロングやロデオだと明らかに効果がわかります。特に最近はロデオラインで実感しています。秒数を測っているんですが、明らかに秒数が伸びます。

人によって効果のある呼吸法は違うかもしれません。呼吸を意識するだけでも効果はあると思います。ぜひ、試してみて下ください。

以下詳しく書きます。

音が出るように長く細く呼吸している動画

命綱なしのハイライン


Dean Potter | Documentary (Part 2-5).flv – YouTube


クライミング界のスター、ディーンポッターの命綱無しのハイラインの動画です。4:50秒以降でヒューヒューと呼吸をしている音が入ってます。長く深く息を吐いている感じです。

340mオーバーのロングライン


340 on Vimeo


世界記録クラスのロングラインの完歩を記録した動画です。

フーフーと息の音が入っています。ラインの揺れと息のリズムは同調していません。つまり、ラインが上がるときは吸うとか、吐くとかは決めているわけでなく自然にやっている感じ。でも一番上がった時とか下がった時に吐き終わっているような印象はあります。わかりやすいのは5:30~6:00あたりです。ラストのプレッシャーがものすごいと思いますが、短くフッフッっと息している場面もあります。

あと、ヘッドフォンで音楽を聞きながら歩いてますね。これも何かしら効果があるのかもしれません。

長く息を吐くということは、深く吸うことにつながる

運動中にはいわゆる深呼吸はできません。ですが、息を深く吐けば、次の自然と素早く深い息につながります。深く息を吸えば、一瞬にして酸素が体中に行き渡ります。もちろん、筋肉にも酸素が余分にいきわたります。

深く息を吸えば、筋肉の柔軟性があがり緊張が解ける

筋肉は酸素量が多いほど柔軟性を増します。呼吸法を意識させるストレッチやヨガの最中に、普段よりも体の柔軟性が上がるのは、これが一番の理由かもしれません。柔軟性が上がるということは、逆に言うと筋肉の緊張を解くことになります。冒頭に、呼吸方を工夫すると、強制的に筋肉をリラックスさせる効果を生み出せると書きましたが、これは筋肉に十分に酸素が行き渡って緊張が取れて柔軟性が上がったからと理由付けできると思います。このことは自分が勝手に言っているんじゃなくて、呼吸と筋肉の本などにも書かれていました。

呼吸法は身近だけど忘れがち

血行不良とかも、要するに普段の呼吸に原因の一つがあると言われています。肩こりなども血行不良・酸素欠乏が引き起こすので呼吸方を意識するだけで改善する場合があるそうです。カウンセラーなどが患者の緊張を解く場合にも、呼吸法を意識させて肩の力を抜かせたりします。無意識の緊張を呼吸を意識させて、解く方法はごく当たり前の行為の一つであるんです。

運動と呼吸

筋肉の酸素供給量が増えると、柔軟性が上がります。さらに、動く筋肉の絶対量も増えます。メインの筋肉の周りにある、小さな筋肉も十分に動く余裕ができてパフォーマンスがあがります。そして、スポーツの場合はパフォーマンスを上げるだけでなく、余裕ができて怪我もしにくくなります。酸素はサプリやマッサージなどよりも、何倍も効果があり、即効性があります。体の動きも緊張が取れることで、もっとも美しく自然な動き(フォーム)につながります。

スラックラインでも無駄な動きが減ればそれだけ、安定して歩けることにつながることは容易に想像できます。

心と呼吸

ロングラインだと特にゴールに近づくと緊張感が増します。この緊張感も呼吸である程度は制御可能です。体は酸素が少なくなると、不安感が増えます。逆に酸素が増えるとその瞬間リラックスできんるんです。ためしに今、呼吸を意識して数回吸ったり吐いたりを繰り返してみて下さい。リラックスが実感出来るはずです。

緊張すると呼吸が浅くなって、さらに緊張感が増します。ようするに呼吸を意識できるほどの余裕が無い状況です。プレッシャーとかそういうのでの緊張の影に、酸素欠乏による緊張がひっそりと同居しているということです。影に隠れているから、そのことは殆どの人が気づきません。だから、強制的に呼吸を意識して深くすることだけで、緊張感をリセットする方向へと向かわせることができるという理屈になるんです。

ロングやロデオをチャレンジする場合は、ぜひ呼吸を意識してみてください。そして普段の性格でも意識して、少しでも無意識でいい呼吸ができるようになれば、健康にもいいはずです。猫背なども治るそうです。

自分が参考にした本は下記の、ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」 [単行本(ソフトカバー)]です。