浄光寺の副住職さんが書いた本
キンドル版も出ています。読み放題対応ですので、Kindle Unlimited会員ならタダです。
発売から1年以上たっていますが、9月にフルコンボジャパンも開催されるので本の紹介をしようと思います。
実はこの記事は去年の今頃、つまりワールドカップまであと1か月というタイミングで書いていたのですが、仕上げられず公開できませんでした。
夏休みの読書感想文ではありませんが、2018年の夏にバタバタと今公開します。今更〜って感じでしょうがね。
読書感想文
どんな本?
長野県の小布施町に浄光寺スラックラインパークがあります。
それを作ったのが林映寿副住職です。その映寿さんが書いた本が「楽しいだけで世界一」。
小布施では2017年にワールドカップが開催されましたが、開催半年前のタイミングで発売された本でもあります。
浄光寺の副住職の筆者が子供時代から現在までの生い立ちを書きながら、スラックラインに出会って世界に羽ばたくに至る様々な伝えたいことが散りばめられていえる本なのです。
前半はスラックラインについて、後半はスキーに打込んだ学生時代、仏教系の大学の話、お寺のおやき、ネットビジネス、震災ボランティア、筆遊び、家族のことなどなど。
そしてお寺に通って上達していく子供のこと。
地方を元気にする、スポーツで元気になる、お寺で繋がる、恩送り。
※この本は珍しいスタンスの本で、売上収益がすべて小布施スラックライン部の活動費用になります。
スラックラインの運営関係者は必読の本!
2017スラックラインワールドカップジャパン【フルコンボ】プロモーションムービー (字幕) – YouTube
導入部から小布施スラックライン部の運営や大きくなるまでのストリーが書かれています。
最初は本当にたった一本のライン。
ラインが増え
ウッドチップを敷き
小布施の学校にもラインを寄贈し
マットが増え
ビニールハウスができ
スポーンサーが続々と集まる
検定も始まり
大会を開催
ハルキ君が世界大会で優勝
ワールドカップを開催
とまぁ、これをわずか4年。
4年ですよ。
無料で沢山ラインがあるスラックラインパーク。
スラックライナーとしては夢のような施設です。
どのように発展し、運営していったのか。
このような情報はスラックラインのグループで何かやりたい、施設を作りたい、と思っている人にはとても参考になると思います。
ハルキ君はスラックラインが下手だった!
SBC まちの翼~信州きらり人~ 2017年09月03日 – YouTube
今や世界トップのトリックライナーといえるハルキ君。
中学の野球部ではレギュラーだったけど打順も後ろの方で特に上手くはなかった。スラックラインも下手だったらしい。
しかし、中3で部活を引退してから浄光寺にひたすら通いスラックラインの腕を磨いた。
と書かれている。
そして夏から秋、冬になり。高校受験。
ハルキ君は受験勉強もしなければと迷うけど、副住職のアドバイスでスラックラインを選択。
他のみんなが勉強をやっている時間よりも長くスラックラインに乗っていた。
結果的にはハルキ君は高校にも合格。
中学3年の部活をやめてから高校に入るまで、そのわずかな期間にスラックラインに没頭したことが、世界へと羽ばたいた原動力となった。
ハルキ君もすごいが、スラックラインというスポーツもすごい。
練習に練習を重ねる時間。
練習に練習を重ねたことありますか?そこのあなた?
これがどれほど人を成長させるのか。
そしてその期間を受験勉強に使うことが、どれほど重大な行為か。。。
安易に受験勉強しなさい!という人も多いが、実はゾッとするほど恐ろしい言葉ではないか?
当たり前のように中学生、高校生は受験勉強をやるが、その時間を本当にやりたい事に費やしたら。
どれほど人は成長できるのだろう!?
確実に言えるのは、受験勉強と天秤にかけるくらい他のやりたい事があるということは素晴らしい事であるということ。
印象に残ったこと、お金の話多め
普通の読書感想文では面白くないのであえて書きましょう。
お金の話が多いです。バイト代いくらとか、トランペット40万とか。またお金の話かなんて思ったりも。新聞のバイト1日30万も稼げるとかマジかよ。
金額がいちいち登場することから考えると、副住職はお金好きといえる。
ポジティブで計画的でお金好き。最強じゃん!明るい未来しか見えてこない。
自分はお金には無頓着なタイプ。サラリーマン時代の給料すら幾らか知らないし通帳を見ようとすら思わなかった。それで今苦労していますが・・・。ネガティブで無計画、金に疎い。最悪だ~。
金額がホイホイ出てくるのは、話も早くわかり易い。
大会開催でいくらお金がかかるのか?なんてこともこの本には書かれている。例えば、初めてギボンカップを開いたときはスラックライン部のスポンサーから40万、市が60万以上、当日ふるまわれた果物は買えば30万と具体的。これはこれで、とても参考になる情報。
スラックラインの環境を整えるためにお金は必要だし、そのためのアイデアがスポンサーなんでお金抜きには語れないのも事実。
ワールドカップのクラウドファンディングもお金。奇跡の500万。副住職以外では集められるわけがない。
しかし、お金の話に嫌らしさは感じない。
この本の場合、お金は健全なエネルギーの変換ツールまたは潤滑油として使われているから。
ネットビジネスも誰かを笑顔にするため。笑顔にできてお金も稼げる。
規模が大きくなりシステマチックにお金が集まって流れて有効利用されて、本来以上の効果を生み出したり、または皆をドキドキさせたりさせる。
お金に見頓着で、まぁどうにかなるよな性格だったら、こんなミラクルは起きていないと思う。
お寺の信用をうまく利用しているともいえるが、もちろんそれだけでは無理。副住職のこれまでの頑張りやキャラクターがあってこそ。
その他印象に残るエピソードなど
おやき屋さんで1000万円の借金して機械買って、おやき1000個作っも一個も売れなくて泣きたい気持ちに!?
じっくりギャフン法。
いうだけならタダ、実現したら儲けもの。
お寺の話。
最後の最後に登場する奥さん。
映寿さんは奥さんに毎日のように「いつもありがとう」と伝えているそうです。私も見習います!!!
全部で39の伝法気楽力という話が収められています。
ぜひ、買って読んでみてください。
何かに悩んでる人にもオススメします。喜楽力など、背中を押してくれる言葉やエピソードがあります。
文章は読みやすく、写真や楽しいアイキャッチも豊富。
曼荼羅もアリ。
スラックラインとお寺
この本を乱暴にまとめてしまえば、「龍となれ 雲おのずと来たる (武者小路実篤)」を体現している副住職の成功ストリーが収められた本です。理想に向かって突き進めば、同志は自然と集まってくる。
龍とは言っても、体育会系や経済人のような熱血や理詰めのリーダー像ではない。
あくまでフレンドリーなお坊さん。
副住職のキャラに惚れた周りの人を巻き込んで前に進んでいく。
色んなパワーで問題が解決していく。
それに伴い、お寺やお坊さんの印象も変わってしまう。
そしてスラックライン。
新しいスポーツだからこそ、やることすべてが挑戦だからこそ、誰もやってないことだからこそ。
副住職とスラックラインがスパークして晴樹君・英心君、ワールドカップ。
とりわけ大きな存在は浄光寺で黙々とラインの乗り続けた晴稀君の存在。
レッドブルも巻き込んだ。
この本に書かれていることは、お寺に生まれた子がお寺を引き継いで盛り立てて、どうにか自営業者として奮闘している様子でもある。
浄光寺は歴史ある文化財を所有し由緒正しいお寺であるものの、檀家は少ない。
そのお寺を引き継いで、奮闘する副住職。お寺の大変さが見えてくる本でもある。
お坊さんは沢山いる。
その一人一人が、どのようにお寺を盛り立てていこうとしているのか。
普通はあまり知らないし、何かで描かれることもない。
そういうお寺の一面が垣間見れる本としても貴重なのではないか。
この本に書かれていないこと
ワールドカップ前に発売された本なので、大成功した大会のことは書かれていません。
スラックライン推進機構のことも書かれていません。
この本執筆後も、小布施スラックライン部の快進撃は続いています。
本の紹介ページ
目次や推薦文が読めます。
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キンドル版も出ています。読み放題対応ですので、Kindle Unlimited会員ならタダです。
スラックレールもある
本には登場しない。
関連リンク
浄光寺へ行こう
浄光寺まだ行ったことありません。
もし行ける方は、ぜひ行ってみてください。
副住職にも会えるかもよ。
もちろん薬師堂参拝もね。
室町時代からという、計り知れない歴史を秘めた薬師堂。
改めて思う。
スラックラインとの組み合わせが奇妙ではあるよね。どんな感じだろ。行ってみないとわからないね。