80m少々のロングラインをカラビナバックマンで張って挑戦して風での歩き方を考える

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slackline.jpを書いている人
歩き方

2009年からスラックライン乗ってます。国内旅程管理主任者、日本山岳ガイド協会公認ガイド(自然Ⅱ登山Ⅲ山岳Ⅰ)、NACS-J自然観察指導員。アウトドア好きでキャンプ、星、植物、お魚好き。
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管理が遠のいてゴミだらけの公園

自宅のすぐ近くの第一ホームグラウンドでやって来ました。
ここも洪水でやられているけど、被害が少ないです。流木などの撤去はとりあえずされていますが、それからはずっと放置状態。対岸の堤防の崩れさえ、ほとんど補修されていないので、公園の本格普及はまだまだ先になりそうです。

落ち葉で隠れていますが、地面には大量のガラスが埋まっています。ガラスは地中でもなかなか分解されないんですよね。だって、ローマ時代のガラスが発掘されてアクセサリーとして売られているくらいですから。まぁ鉄も2000年くらい地中では朽ちないでしょうけど。

張る前に、ゴミ袋持参でゴミの撤去。ガラスはたくさん落ちていますが、以前にも増して不法投棄のゴミが多い。空き缶を30個くらい拾いました。コンビニ袋と弁当ガラのゴミの組み合わせも、あちこちに投げ捨てられています。要するに営業か配送の昼休みに木の日陰に車を停めて、そのまんまゴミを投棄ててるってパターンです。以前スラックラインをやっていて、車内で発泡酒を飲んでそのまま缶を投げ捨てて走っていった車も見たことがあります。

壊れた電気製品も捨てられています。公園も管理が遠のくとあっという間にゴミだらけ、洪水被害よりもよっぽど悪意があるかもしれません。

ここは以前よく張っていた場所で、10m、13m、14m、18~20?、25m、33m、が張れます。今回は80m少々の長さです。以前測ったときは82mだったような気がするのですが、はっきりしません。アンカーを変えると90mオーバーも張れます。100m以上は少し上流に離れたところにあるのですが、そちらは完全に使えなくなっています。そっちは洪水の土砂置き場になってしまい見るも無残な感じ。トイレや水道は全部使えません。今では近所の人が歩きに来るくらいです。超ロングの場合は、下流にスラックラインパラダイス的な公園があったので洪水まではその公園ばかり使っていましたが、こちらも全く使える目処がたっていません。だって、半年たってもほとんど工事が入ってないんです。

ロングラインの設置!

プリーを計8個使って引きました。5回折り返しで6倍力のメインに、5倍力を掛けて30倍力でやりました。テンショニング区間は約6.5mを使い、最終的には1.5mまで締め込んでいます。つまり、5mほどラインを引いたことになり、大体5~6%ほど伸ばした勘定になります。超ロングとしては通常のテンション(この長さでは若干ゆるめ)だと思います。アンカーの高さは2m、傾斜地なのでもう一方は、2.3mでした。2.3mだとラインに乗れません。どうにか手は届くので、逆上がりで乗ることになりますが・・・、これがまたキツイ。こんなの繰り返していたら体力が奪われてしまいます。おとなしく、低い方から乗ることにしました。もし、2m以上の高さなら、木に登るか、踏み台か脚立なにかが必須かもしれません。


このロープは困ったちゃん。黒いから、ロープの状態を細かくチェックするには適していない感じ。黒色は舞台装置や、ロープの汚れが目立のが避けたいクリーニング業務の人が選ぶんだそうです。このロープはシンギングロックのスタティックロープの上位モデルでR44の10.5mmです。シース(外皮)がすごく柔らかい、ノットアビリティは0.8とスタティックロープとしてはおそらく最高クラス。でもそれゆえに、繊細で弱いみたいで強いテンショニング中にクランプするとそこが確実に凹みます。通常の状態では異常なしです。ちなみに外皮の割合は35%で編み目が細かいです。もう一つの手持ちのロープは何度も使っているのに凹んだことありません。

ということで、今回はアッセンダーは使わずにプルージックとカラビナを組み合わせたカラビナバックマン(バッチマンは古い言い方だそうです)という方法で引きました。以前、普通のプルージックでやったら、動かすのが硬くて大変でしたが、これだと少し緩めるだけでスムーズに動きます。ロープにも多少はやさしいだろうしって、思いましたが、バックマンでもプルージックでもロープが三角に凹みました。もう、こういう変形しやすいロープだと諦める無いです(トホホ)。テンション抜けばもとに戻りますし、メーカーの最強で最高のロープという言葉を信用します。っていううのが一番危ないのかな?スタティックが破断強度が高いといっても、傷めば切れるのは他のロープと同じだし。

少し手間だけど、アッセンダーは無くてもいいような気さえします。プーリー効果を加えてもほとんど滑りません。ただし、いきなり強く引くと締まる前に引き始めることになるので、最初は軽めに力をいれてカラビナバックマンのスリングを締めてから引きます。プルージック専用のロープでプルージックコードを作って4回巻きで使用しました。手持ちの大きめのカラビナと組み合わせて事前に長さを調節しておけば、無駄な遊びも減らせます。今後は軽い時はカム付きのアッセンダーで、重くなたらバックマンでやってみるつもりです。

手元はもちろん、ハンドル付きアッセンダー。


んで、歩くんだけど?

この場所を今まで避けていた理由が風です。川がすぐ近くなので、常に風が吹いていて、しかも土手で吹きあげるのでラインが激しく揺れます。揺れるというか、唸ってビヨンビヨンと暴れます。軽いので比較的風に強いと思い込んでいる、ホワイトマジックですら激しく唸っています。50m台なら少々の風はごまかせるんだけど、80mで強風の場合は全面的に歩き方を変える必要があります。

慣れたら半分くらいまでは行けるようになりました。しかし、ラインの動きに体を合わせるばかりなので体力と時間を余計に使うことになり、そこら辺で力尽きます。ラインを歩行リズムに合わせて揺らす方法が、ほとんど使えません。ロングラインを歩くというより、風で踊っているラインの上を歩く気さえしました。歩き方は試行錯誤の末、方法がすこし見えてきました。

まず、両足のほうが安定できるし体力温存できるので、なるべく両足をつく時間を増やすようにします。片足で強風のうなりをコントロールすると疲れます。
んで、歩くたびに両足をついた得意スタンスで一旦体勢を安定させます。すっと背筋を伸ばし、腰を前におくとピタっと安定しました。体勢が悪い場合は、そのまま体を捻ったりしてリカバリーします。そして、また一歩進みます。調子が良ければに二歩進みます。そして安定姿勢を1秒か2秒、歩く、安定姿勢、の繰り返しで確実に進んでいきます。これはこれで面白い歩き方です。しかし、この調子だと時間はかかるし疲れます。

ぜひ完歩したかったのですが、風はますます強くなってしまったし、日暮れも迫ったので撤収しました。設営から撤収まで二時間半でした。つまり、一時間くらいしか歩けてない。。。まぁいつものことですけど。
強風でも歩けるなら、風がない場合はそれよりも難易度は下がって楽に歩けるはずです。そう思って、機会があるときはまたここでやろうと思います。

アンディルイスが強風時にハイラインを渡っている動画


Andy The Slackliner – YouTube
この動画見たことない人はぜひ見てみてください。すごいです。テンション量と距離が違うから、縦に揺れてラインがビヨンビヨンと唸ってはいないけどイメージとしてはこんな感じ。

今日のバックアップ

歩行ラインの余りは、両方木に結びました。
エディの下にエイトノット、ロープの反対の末端のエイトノット、それからプーリー前のシャックルで折り返してのエイトノット、計三個のエイトノットをリギングプレートにダブルのスチールカラビナでかけました。

ラインの余りは余裕のある長さで結び、ロープ末端で作るメインバックアップは折り返して二重にして余裕は少なく、
画像ではサブテンションシステムのプーリー・クランプ箇所が写っていますが、歩く際はすべてこれらを外してから歩きます。

■追記:シャックルで折り返さないほうがいいかもしれない。