スラックラインと立木の強度関係を判定する計算フォーム
張るラインの強さと高さから危険度(木を倒す力)を割り出して、樹木の強度を直径からアウトとセーフを判断する計算フォームです。
先に言っちゃいますが、直径30㎝あればほとんどのラインがセーフです。木を倒す前にラインが切れます。新品ラインは30~50kNくらいで破断します。人が木を引き倒すんなんて、なかなか難しい。
ただしそれは十分な直径がある場合ですので、細い木は意外なほど弱いことも計算で出せます。
具体的に太さはどの程度から大丈夫?
端的に言えば、スラックラインを張る木は30㎝以上を選びましょう。
国際スラックライン連盟ではスラックラインを張る木は30㎝と規定しています。他のISAの資料には30㎝で8kN以下、8kN以上なら40㎝以上を選ぶようにと記載されています。
実際には子供の体験ラインやAフレームを使う場合などはもう少し小さくても大丈夫なケースもあるかもしれません。ロデオラインも負荷の低い張り方です。そんな微妙な数値を判断できるように計算フォームを作りました。
理想は直径30㎝を厳守するべきですけど。
引き倒しについては様々な要因が関係してきます。ラインの高さが高くなるほど引き倒しのリスクが高まりますが、Aフレーム等で下げればリスクは減ります。
木の引き倒し強度は木の種類によっても変わります。
例えばドングリの仲間は強い。真下に根が伸びるから。地面の状況や移植されてからの年数も関係します。
見た目や状況から木が弱っているかどうかの判断も必要です。
木の種類は4種から選べますが、針葉樹3種、落葉広葉樹1種とデータが少ないです。
でも参考にはなると思います。
引き倒し強度について
今回使用した引き倒し強度の計算式は立木の引き倒し抵抗力の樹種間比較(○深見悠矢・北原曜・小野裕(信大院農)・宮崎隆幸・山内仁人・片倉正行(長野県林総セ)松澤義明((社)長野県林コン))を利用しています。
この計算式は地面から1mの地点にワイヤーをかけ、負荷をかけていき、僅かでも傾いた時点での数値をもとに作られた回帰式をそのまま利用しています。
注意点としては木の種類が公園に多い樹木でなはいということ。もっと弱い樹木も存在するということです。
なんとなく弱そうだなぁと思うときは、木の状態の選択を貧弱にしてみてください。引き倒し警戒レベルに1.5倍の補正をかけます。公園に移植後10年未満の木は根が張っていないので2倍の補正です。
木の状態を見よう
安心して身をゆだねられるかどうか、楽しませてもらえるかどうか、木と対話してみてください。
スラックラインは木と親しくなる行為と自分は思っています。
「今日もよろしくね!」なんて木に唱えながらのスラックラインって素敵だと思いません?
木にも心にもスラックラインにもゆとりをもって取り組めば、より軽やかに歩けるし、飛べるハズ。
季節や気候も関係してきます。春は葉を茂らせるために木は一生懸命です。なるべく労わってあげたいですね。花が咲いている時期とかも。鳥が巣を作ってるかも⁉セミのねぐらになってるかも。
そしてスラックラインを続けるうちに実感すると思う、木との出会いは一期一会ということを。
今後もスラックラインが張れるように!皆さんよろしく。
今後も公共的な公園でスラックラインが張り続けられるように、本当にやるべきことは何でしょうか?
私たちスラックライナーは樹木保護の原則に従って特別な注意を払い続ける必要があるのはもちろん、正しい情報や原則が守られていくように啓蒙していく必要があるのかもしれません。