ディーンポッターの死亡のニュース
夕方のラジオのニュースで聞いてビックリしました。
ディーンポッターはアメリカ人のクライマーで、単独でのスピードクライミングやロープなしのフリーソロのクライミングに取り組んでいた有名な人です。平山ユージとエルキャピタンノーズのスピードクライミングの記録を競ったことで知っている人もいるかもしれません。
ヨセミテのロストアロースパイヤーでのハイラインを命綱無しで渡って結果的にクライマーの間でスラックラインの認知度を高めた人でもあります。いわゆる命綱なしで危険なことをやったり国立公園のルールを破ったりしてたので批判も多かったのですが、彼の素晴らしいチャレンジに共感する人も多くいました。
ここ数年は通常のベースジャンプ(BASEJump)やベースライン、ウイングスーツを利用したベースジャンプなどもにも集中してやっていたようです。それらの動画もレベルが高く世界でも有数のベースジャンパーともいわれています。愛犬とクライミングしたり飛んだりもしてたお茶目な人。
その彼が5月16日ヨセミテでのベースジャンプで、壁に激突して死亡したそうです。連絡がなく、ヘリで捜索して一緒にとんだ仲間(グラハム・ハント)と共に発見されたとのこと。自由で美しいことを求めていた結果、死んでしまった。彼のナショナルジオグラフィックの紹介動画のタイトルがFly or Dieなのですが、まさにその通り死んでしまったのです。共に死亡したグラハム・ハントについてはアンディ・ルイスのFBに追悼のコメントが記載されています。
※追記-グラハム・ハント
このニュースを聞いて世界中のスラックライナーが残念がっています。特にハイラインなどをやってる人はショックかもしれません。
ご冥福をお祈りします。すばらしい挑戦を見せてくれてありがとうございました。
※画像はムーンウォークの制作会社より
※ヨセミテではベースジャンプをする人が多すぎて、禁止になっていました。それでも、美しい景色を求めて朝夕にこっそり飛ぶ人が後を絶たたないとのこと。
ディーンポッターのムーンウォーク
Moonwalk on Vimeo
彼がスラックライン界に残した美しい宝石がこのムーンウォークという動画です。公開5日で35万回も再生されました。
まだ見たことのない人は、じっくり最後まで見てみてください。
夕暮れ時に上る満月をバックに、ヨセミテの大聖堂ピークに張ったロープを渡っています。もちろん、命綱は無しです。カメラは1.9キロ先からの超望遠で彼を映し続けます。ゆっくりと月が登っていきます。綿密な計算と計画の上に撮影された、美しい一瞬。彼の息遣いが聞こえてきそう。彼はラインの上でいったいどのような景色を見ていたのでしょうか。
※このときはラインではなく、15mmくらいの太さのロープを張って渡っています。簡素な道具で張れるから?
彼の紹介動画など
フリーソロクライミング、ハイライン、ベースジャンプなどナショナルジオグラフィックの彼の紹介動画です。
ナショナルジオグラフィックの関係者による追悼の文章。彼のことが非常に詳しく記載されています。
彼のFacebookページ。
ディーンポッターの言葉
なぜ命綱なしにこだわるのか?
こういうふうに言っています。
「I’ve always been a ‘free soloist.’ Whatever I do, I long to be untethered and fre.」
意訳:私はいつどんな時もフリーソロイストだ。自分がやることは何であっても、自由で綱から放たれた状態でありづける。