スタンスの紹介~トリックを始める前に~

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スタンスとはライン上での体勢の事です。歩いたり、ターンしたり、バックしたりするだけの場合は特に考える必要はありません。その場合は歩きに適した歩行スタンスをすでに実践しているからです。

トリックのスタンスはたくさんあります。それこそ無限大にあると思います。スラックラインはあらゆる動きが、ライン上という厳しい制約に基づいているのでただ立っているその姿勢だけでも難しいのです。ですから、その基本的なスタンスを理解して維持できるようになれば、ただそれだけでもで上達します。バランス感覚の底上げにも、もちろんジャンプの成功率アップにも繋がりますので、ぜひ理解して練習しておきましょう。

■歩行スタンス
どちらの足もライン上にそのまま前向きに立つスタンスです。その名のとおり、歩く体勢です。平地の場合と違い、ライン上ですから足はライン上に一直線に並べておくことになります。顔も正面を向くので支点を見ます。一番基本のスタンスです。最初は両足ともラインにつけると安定しないでしょうが、練習すれば片足より楽に安定できます。立ち続けるには、自主的に揺れを起しコントロールすることが大切です。縦揺れ(ラインバウンス)や横揺れ(サーフィン)を複合的に乗りこなして立ち続けます。

練習方法はそのままの歩行スタンスを落ちないようにひたすら続けてください。 小さい縦揺れを起こし続けながら耐えます。この動き自体はラインバウシングというトリックにもなりますが、トリックというには大きな揺れを起さないと、絵になりません。ここでは絵になるかどうかは置いといて、小さな揺れをひたすら起してひたすら耐えましょう。
回数を数えて最初は10回、後々には100回オーバーできるくらいを目指しましょう。やればやるほど筋力とバランス感覚が発達してきて基礎的な熟練度が上がります。

上達すれば完全に静止することも可能です。その場合は姿勢的にも楽です。1分でも2分でも立てる様にしておくと後々の上達にもつながります。

■レギュラースタンス
顔・上半身は前の支点を向き、足は左足を前にし、ラインに対して右横向きに直角(少し前向き)に置きます。このスタンスはスノーボードやサーフィンと同じです。つまり下半身は右を向きますが、腰を捻り上半身は前を向きます。ジャンプの着地はほとんどがこの姿勢ですから、ライン着地してバランスを持ち直す重要なスタンスなのです。ライン着地にがこのスタンスをとる理由は歩行スタンスよりも膝を曲げることが出来るし、足の裏が横なので当然ながら面積が稼げるからです。
ということなので、このスタンスでも落ちないよう練習します。難しいでしょうがこつを掴めば上達は早いです。とりあえず30秒位を目標にすれば、あとはドンドン勝手に上達します。そしてエアートリックもめきめき上達するはずです。

■グーフィースタンス (スイッチスタンス)
レギュラースタンスの反対のスタンスです。人間はレギュラーかグーフィーかどちらか一方が得意な場合が多いようです。ほとんどが、左前の右向きの方が得意なのでそちらをレギュラーとします。しかし、人によってはレギュラーよりこちらのスタンスの方が安定する人もいると思います。その場合は、このグーフィースタンスの方がレギュラーと考えて苦手な方をスイッチスタンスと称したりします。
このスタンスも最初は難しいでしょうが、レギュラーと同じくらい安定できるように練習をつみます。というか、むしろ苦手な逆スタンスだからこそ重点的に練習しましょう。なぜなら、逆の苦手なスタンスが上達すると得意の方も勝手に上達していくので、効率のよい練習ができます。

■スタンスと切り替えとジャンプの関係
ジャンプをする際、踏み切り・着地がレギュラーかグーフィーのどちらかになります。もちろん得意なスタンスがレギュラーだとすれば、垂直ジャンプはレギュラーがやりやすいでしょう。最初は得意なスタンスでジャンプの練習をします。つまり、レギュラースタンスか左前の歩行スタンスでジャンプして、レギュラースタンスで着地します。いわゆる垂直ジャンプ(ヴァーティカルジャンプ)です。
それが出来るようになったら、グーフィーでも垂直ジャンプが出来るように頑張りましょう。そうすることで体のバランスがますます良くなり、他の技の上達が早くなります。

ジャンプをレギュラースタンスで踏み切り、グーフィーで着地するとスイッチジャンプというトリックになります。体はそのまま前を向いているのに、足の位置だけジャンプして入れ替える訳です。さらにこのスイッチジャンプはスタンスの切り替えと同時に体も捻ればスイッチジャンプターンになります。体ごとジャンプして横回転のスピンをしてターンするのフロントサイド180°になります。どっちもひっくるめてジャンプターンと言えるのですが、実際の体の動き自体は詳しく理解すると全く違います。こういう、ちょっとした動きでトリックが発展したり別物になるのがトリックの面白さの一つです。

スタンスの切り替え(スイッチ)は両足を付いたまま、上半身を捻って反対方向を向いても行えます。この動作も基本動作の一つですから練習しましょう。

■横向きスタンス・クロスライン
レギュラースタンスの足を完全にラインと直角にして、体全体もそのまま横を向きます。英語ではラインと直角のスタンスですから、クロスラインと言います。不自然な姿勢なので最初は難しいはずです。ラインを不規則に振りながら何とか頑張って、30秒くらい立てる様に頑張りましょう。

このスタンスはジャンプには直接関係ありませんが、バランス系のトリックの練習にもなるので非常に有意義です。今までと違う動きでバランスをとるのでバランス感覚の底上げ効果がかなり高いです。例えば、このスタンスがある程度維持できるようになると、普通のターンなどは飛躍的に安定感が増します。侮れないスタンスですし、これから座ったりして行うライントリックもあります。

■他のスタンス
ニーリングやドロップニー・ガンビットなどの手を使ったり座ったりする姿勢もスタンスと言えるでしょう。これらのスタンスも単純な姿勢と思うかもしれません。ですが、そのスタンスを長く保つことはそれだけでもトレーニング効果が高いので、ぜひ挑戦してください。