タナゴの王様「カネヒラ」の釣り方や飼育方法

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お魚ガチが書きました
すまら

自然大好き一家で自然保護協会家族会員。自然観察指導員 。熱帯魚はベタ、日本淡水魚はタナゴその他を20本以上の水槽で飼育中。
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カネヒラとは?

いやーめっちゃカネヒラきれいだな~大きいし

カネヒラというのは日本に在来で生育するタナゴの種類になります。大型で美しいことから釣りの対象としても飼育対象としても人気のあるタナゴです。

特にオスの婚姻色が美しく、タナゴの中でもトップクラス。鮮やかな虹色に染まる魚体は日本淡水魚の中でも特段に派手といえるでしょう。その昔、ガラス水槽で魚を飼うという文化が海外から入ってきたときに、熱帯魚並みに派手な魚として東京のデパートで人気になったこともあるそうです。

この虹色は婚姻色と呼ばれ、オスだけの色。カネヒラは夏から秋(10月いっぱい)までが婚姻色のシーズンです。タナゴとしては大きい種類で10㎝くらいまで成長し、水槽で群泳させるとウットリ。

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カネヒラの生育する地域や場所

カネヒラは河川の中流域やその支流の水路に生息しています。濃尾平野以西の本州から九州北部にまでの範囲ですが、その他にも宮城と茨木に移入していることが知られています。

カネヒラは流水型のタナゴで完全な止水ではなく、流れが多少ある川に生育しています。水草と二枚貝があれば生育する可能性があります。産卵期は特に貝のある水域に出没し始め、それ以外は流れの緩やかな川で水草に隠れています。

我が家の近くでは幅2mの水路がカネヒラスポットです。8月・9月に水田のために水量が増えた水路などで見かけることができます。産卵の最盛期は9月から11月で婚姻色が最も綺麗になります。

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カネヒラの見分け方

カネヒラの婚姻色オス
カネヒラのメス

カネヒラの見分けは大きくなれば比較的容易です。背びれが幅広で長く、体高さがありひし形なのです一度判別すれば、大きさとシルエットで判別できます。ひげは短いです。幼魚は背びれに星がありますが、タビラ類との判別が難しいです。九州ではセボシタビラと似ています。見分けるには背びれの分岐軟条の数を数えてください。カネヒラは数が多く、10から13本です。

詳しくは↓のサイトを見てください。タナゴの見分けや判別についての決定版です。

タナゴ類 [日淡会]

メスは婚姻色が全くなく、銀色です。体長は10㎝程となります、九州ではアブラボテやヤリタナゴなどと一緒に泳いでカネヒラ同士で群れを作って泳いでいます。

カネヒラは8月に生まれ急激に成長しますが、6月7月は新子と呼ばれる小さなカネヒラが釣れます。もちろん、この時期にも去年生まれた大きなカネヒラもいます。

カネヒラの稚魚は背びれの黒点が生まれたては薄く、数日で濃くなり3cmを超えると黒点は薄くなっていきます。

3月ごろに浮上して6月のカネヒラ。5cmくらいに育っている。秋にはもう成熟し産卵をする。

カネヒラの釣り方

通常のタナゴは春夏が婚姻色の時期ですが、カネヒラは夏秋です。ヤリタナゴの婚姻色が薄くなってくると、入れかわるようにカネヒラが釣れ出します。大型個体が多いのでパワフルな引きを楽しんでください。

流水のある個所を好むので、中規模河川や小さなが用水路が釣りポイントとなります。春先は水草に隠れて泳ぐ様子を観察できますが、大型個体はなかなか釣れません。この時期は水草やアオミドロを食べているんでしょう。梅雨をあけると春に浮上した小さな個体(新子)が群れている様子がみられ、釣ることも可能です。

8月以降となると透明度の高い川では地上からもその大きさと色でカネヒラと判別できます。このころ活発に餌を食べるようになるので、比較的簡単に釣れますが大抵は他の種類のタナゴが餌に食いついてきて邪魔するときも多いです。

  • 竿-タナゴ竿
  • 仕掛け-普通のタナゴ用
  • 餌-黄身練り、ミミズ、赤虫

黄身練りやタナゴ用の市販のエサでも普通に釣れますが、特にカネヒラを狙って釣りたいときはミミズや赤虫を使うといいでしょう。大型で活発な個体が釣れます。
流れのあるポイントの場合は釣りにくいです。その時はオモリとウキを少し大きめにしてもいいですよ。ウキが使えそうにないくらい流れがある川では、ナス型のオモリを一番下につけてオモリからハリスをつなげて釣ることもできます。

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カネヒラの飼育について

飼い方自体は他のタナゴと変わりありませんが、水草をよく食べます。カボンバやアナカリスなどの柔らかい水草を食べまくります。餌として数本浮かべてすぐ丸裸氏にするほどです。もし水草を入れない場合は、植物飼料配合のタナゴ専用のエサをやりましょう。茹でたブロッコリーなどの野菜も食べるので興味がある人は少量から試してください。

カネヒラは白点病になりやすい魚です。なるべく余裕をもって濾過されている水槽で飼ってください。特に水温が下がったり、水温差が大きくなる秋に発症します。カネヒラの場合はヒーターを入れて春と秋に予防を徹底するのも賢い考えです。

白点病の他にも病気を発症しやすいので、野外採取の個体を既存水槽に入れる時はぜひ薬浴させて入れましょう。カネヒラは特に。

カネヒラを薬浴させる場合は、3日ほど別水槽に隔離し0.3%の塩水とメチレンブルー系かマカライトグリーン系などを使うとイイでしょう。

カネヒラ飼育のポイント

カネヒラ水槽
カネヒラのみ。水槽でバチバチの婚姻色出すのむずい。
  • 大型タナゴなので水槽は横幅60㎝以上が必須。群泳させるなら90㎝。
  • 白点病にかかりやすいので注意。水温差が大きくないかチェック。可変式のヒーター入れたい。
  • 水草をよく食べる。茹でたブロッコリー大好物。
  • サイズが大きいので、ほかの種類の小さなタナゴと混泳させるときは、注意。おすすめはカネヒラのみ。
  • 大型なのでタイバラと比べて餌を多めにやる感覚が必要。
  • 春や初夏に釣った小さいカネヒラはぐんぐん大きくなるので、個体数注意。大きな水槽必須。
  • 水槽では川ほど婚姻色がきれいに出ないケースも多い
  • カネヒラはきれいな魚だけど冬は地味。

自家繁殖は繁殖は難しい

カネヒラは秋に二枚貝に産卵して春に稚魚が浮上します。二枚貝の中に長くいる必要があるので、人工的には増やしにくいです。ですが、まったく無理ではなく成功させている話もありますし、人工授精で浮上までさせた人もいます。
貝はイシガイやタテボシガイ、マツカサガイ、ヌマガイなど幅広い貝に産卵します。

以下、カネヒラ画像集

以下画像は特に記載のない限り矢部川水系になります。

まとめ

我が家では釣って楽しむ魚です。もしい飼育するなら、90㎝水槽にヤリタナゴととも群泳させてみたい。うっとりするほど綺麗なはず。