タナゴと混泳できる日本淡水魚たち
もともと我が家ではタナゴはアブラボテとヤリタナゴをオイカワとカワムツと一緒に飼っていました。メスのヤリタナゴはおとなしく問題はありませんでしたが、アブラボテの雄はオイカワを追い回してい大きな水槽に移しました。
大きな水槽は各種タナゴ、ドジョウ、イトモロコ、ムギツク、タニシ、石巻貝、イシガイと入ってたのですが過密気味ながらもとても調子のよい水槽でした。
混泳できるかどうかはタナゴと相手のサイズや相性の他に、種類やその数、水槽サイズ、など様々なことが関係しています。なので単純にタナゴと混泳可能かどうかは決められません。
そもそも、淡水魚なら混泳はどんな種類でも可能なわけです。魚でなくともエビや貝、さらにはイモリなどとも混泳できたりします。ヒーター等の問題もありますが、熱帯魚とも混泳可能。逆に熱帯魚水槽にタナゴを投入することもできます。我が家ではレインボーフィッシュやニューギニアレインボー、コリドラスの水槽に日淡のカワバタモロコを入れていますが、なんも問題ありません。どの魚とも可能性はあるので、〇〇はダメとは言い切れないところがあります。
今回は実際に混泳させた魚を中心に紹介します。また、タナゴとは言っても、小型の種類から大型の個体までいます。気性もオスメスで違いますし、繁殖期かどうかでも変わってきます。言えることは小型ほど大人しく、大型種ほど荒っぽい。オスとメスはオスの方が荒っぽい。
なので小さいタナゴの場合は混泳の相性問題は起きにくく、大きいほど起きやすいということになります。
ミナミヌマエビ

ミナミヌマエビ
ミナミヌマエビはタナゴと同じ川にいる場合が多いエビです。ほとんどの水草をガサガサをすれば獲れる小さなエビがミナミヌマエビ。ショップでは赤いタイプなども売られていますが、野生で採れるのは透明とか緑や青っぽいエビです。
コケを食べるエビですが、大量に入れない限りコケ取り能力はほとんど期待できません。水槽内での繁殖も簡単ですが、魚が入っていると大きく数を増やすことはあまりありません。しばらくして適正量に落ちつつくか、減っていきます。
タナゴは小エビは食べますが、親は食べません。なので混泳できます。ただ、一度エビを食べ始めると味を覚えていずれ全部食べてしまう場合があります。
ヤマトヌマエビ

ヤマトヌマエビ
ミナミヌマエビはとても小さくいつの間に食べられて減る可能性があるけど、サイズが一回り大きいヤマトならまず食べられません。タナゴと特に競合することもなくとても愛称は良いので、お勧めです。コケ取り能力が高いですが、柔らかくておいしそうな水草も食べる時があります。常に餌を探し続けるのでタナゴの食べ残しのエサも食べてくれます。
餌に対する貪欲さからドジョウなどの餌を真っ先に取ったりするコマッタチャンな一面もあり。
ドジョウ

ドジョウ
大人しくてかわいいのでお勧め。細かい砂だと砂を掘り返して水草を抜くことがあるので注意。
餌がちゃんと行き届いているかよく観察しましょう。タナゴは落ちたエサは見逃す傾向があるのでおそらく大丈夫と思います。環境が良ければ大きく太くなる速度が速いのですが、成長が鈍い場合は大きめのドジョウ用のタブレットを餌にするといいでしょう。
川でも捕れますし、ホームセンターでも販売されています。
種類は何でもよいでしょう。
モロコ類

モロコ類

イトモロコやホンモロコなどのモロコ類は他の魚を攻撃したりしないのでお勧め。素早く泳ぐのでうまく水槽で生き延びます。タナゴ釣りをしているとよく釣れます。餌もよく食べます。婚姻色が出る時期は同種同士で小競り合いをします。3年ほど生き、複数回産卵します。
水槽内で環境が合えば産卵します。
ヨシノボリ

ヨシノボリ
ヨシノボリは色や模様で複数の種類がいます。餌さえ食べる様になれば丈夫なので問題なく飼育が可能です。愛嬌のある顔で、石の上に佇んで可愛いです。
餌をちゃんと食べているかよく観察しましょう。金魚などと混泳させるとヒレを齧ったりしますが、タナゴは動きは素早いのでめったに齧られません。ただ注意点としてはヨシノボリ同士が小競り合いをします。タナゴメインの水槽なら一匹入れれば十分かも知れません。
ヨシノボリは川で稚魚をたくさん捕ることも可能ですが、あまり小さいのはすぐ死ぬ時があるのである程度大きい個体を水槽に入れるといいです。
クロヨシノボリは丈夫といわれおり、色のアクセントもいいのでもし手にはいったら飼育してみてください。

金魚
金魚
金魚とタナゴは混泳できないことはないですが、サイズが重要になります。金魚は泳ぐのが遅く、タナゴより一回り大きい程度では追いかけられ弱ります。小さい金魚とは混泳させるべきではありませんが、サイズ差が大きい場合は混泳できます。
金魚はゆっくりと泳ぐのを見て楽しむ魚なので、タナゴとはコンセプトが合わないかも。
メダカ

メダカ
メダカとタナゴは泳ぐエリアが違うので混泳できます。タナゴは中層から下層、メダカは上層です。ただ、メダカを入れるならある程度の数とスペースが必要です。
我が家ではメダカ用の火鉢にタナゴを混ぜているのですが仲良くしています。ただ、上見だとタナゴの美しさはあまり感じられません。
ムギツク


ムギツク
とても大人しくてとても可愛いのでお勧め。臆病なので餌を食べに来ないので赤虫などから人口餌に切り替えるようにするといいです。稚魚はすぐ餌を食べます。大きくなるほど臆病になり、他の魚と争うことはほとんどありません。
貝類
貝類
石巻貝やフネアマガイやカバクチカノコ貝はよくコケを食べます。川から取ってきた貝は増えるので入れない方がいいです。もし入れる場合はヒメタニシがお勧め。壁面を齧りつつ、吸水濾過を行います。もちろん河口で捕れる石巻貝もokですが、長期飼育が難しく使い捨て感覚になってしまいます。
ただしこれらの貝は欠点があり、それは石やガラス面などに卵を産むことです(ヒメタニシは直接子供を産む)。例えば石巻貝の卵は孵化しませんが、見た目が悪く、人力で取らない限り消えないのが面倒です。ガラス面は削れば取れますが、石や流木に産み付けられるととるのが面倒です。
オイカワ カワムツ

オイカワ・カワムツは10㎝くらいまでなら混泳は可能です。泳ぐのが早く、のんびりしているタナゴをよそに次々と餌を食べる様子が楽しい。タナゴが一つ餌を食べる間に3個くらい食べます。
20㎝くらいまで大きくなるので、将来的に成魚が飼えそうにないならやめた方がいいですけどね。
まとめ
タナゴと混泳できる生体を紹介しました。紹介したとはいえ、生体の数やサイズ、水槽サイズにも相性は左右されちゃいます。
タナゴはなわばり争いをするので、気性が荒い種類や個体もいます。しかし底や上層を泳ぐ生体には干渉しないので混泳が可能です。エビ類とも比較的相性が良いです。
もちろん貝類とも。