タナゴの飼育方法(我が家ではタナゴにハマってます)

この記事は約26分で読めます。

タナゴという魚

水路で釣ったヤリタナゴの雄。日本の淡水魚とは思えないほど、美しい色彩。

タナゴは日本在来の魚で身近な田んぼの水路などに生育している小魚のグループです。我が家では偶然近所の川でアブラボテというタナゴを網で捕ったのをきっかけに、今ではタナゴ釣りの面白さにハマってしまい、釣りメインですが飼育も楽しんでいます。一時期は稚魚水槽を含めると6本管理していたほど。日本淡水魚飼育ではタナゴは最も人気のある種類ですが、飼ってみればその魅力が実感できると思います。

それぞれの地域に特色のあるタナゴが生育しており、産卵期になると美しい婚姻色が出ることから観賞魚として人気があります。生体のサイズも5・6㎝くらいが平均値で大きくて10㎝程度ですので、水槽でも飼いやすい種類です。

二枚貝のえらに産卵するという特殊な魚ですが、婚姻色や産卵管の具合で繁殖期がわかりやすいので自家繁殖も可能です(ただしその場合は、別の水槽や二枚貝が必要となります)。なんだかんだで稚魚をたくさん産ませるのは難易度は高いですが、一度稚魚が生まれれば二枚貝の中で成長している分サイズが大きいので飼育の餌やりは楽です。生餌のブランシュリンプなどを用意しなくても粉末のエサさえあれば勝手に食べてくれます。

川のガサガサや釣りの対象としても人気がありますが、タナゴはどこにでも沢山いる魚ではありません。多くの種類が絶滅危惧種に指定されています。バランスよく自然が残る箇所にしか現在では生育していないことから、自然環境のバロメーターともなる魚です。しかしながら、こんなとこにいたの?と住宅街近くの水路に生き残っていたりもします。大きく成長したタナゴは警戒心が強く素早いのであまりガサガサでは捕れませんが、小さいのなら網や罠に簡単に入ります。

アクアショップではタイリクバラタナゴやその改良品種が売られています。在来のタナゴも売られている場合がありますが、ブリード固体や川で捕獲したワイルド個体が売られています。買う場合はタイリクバラタナゴやブリード固体を購入してください。タイリクバラタナゴは見た目も美しいので、鑑賞目的で飼うにはピッタリです。改良品種も流通しています。

背びれと尾びれが欠けた水槽のボス。虐められたわけではない。一番強いのにナワバリ主張でボロボロ

タナゴって飼いやすいの?という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、タナゴ飼育の難しさを長く飼ううちに実感してきました。問題は一つだけ。それは繁殖期のなわばり争いです。オスはナワバリを主張するので小競り合いをします。特定のタナゴが弱り、数カ月で弱ってやせ細り死にます。やせ細った段階で隔離しても、なかなか回復しません。大抵の場合は大きいタナゴが小さいのを追いかけまわします。

例えば、カネヒラがその他のタナゴを追いかけまわし、カネヒラを隔離すると、次はタイリクバラタナゴがその他を追いかけまわし、それを隔離するとニッポンバラがカゼトゲを追いかけまわし・・・という感じ。アブラボテにいたっては自分より大きいのを追いかけたり。。。
これを回避する一番の手法は広い水槽と大きなスペース。もしくは広い水槽に多くの生体を入れて特定のタナゴが弱らないようにする手法とか。中途半端な生体数よりも過密気味の方が状態が良かったりします。品種を統一して同じようなサイズばかりで飼うのも良いでしょう。
とわいえ、繁殖期でなければ仲良く泳いでいる場合がほとんどなので大きな問題ではないんだけど。

タナゴの種類

上の画像のタナゴは九州で釣ったタナゴ5種です。よく釣れる順に、アブラボテ、カネヒラ、ヤリタナゴ、カゼトゲ、ニッポンバラタナゴとなります。飼育方法はどの種類も同じですが、気性の粗さやサイズの違いがあります。上の画像はどのタナゴもオスで婚姻色が出ていますが、婚姻色は釣った瞬間が最もきれいです。水槽に入れると消えてしまう場合もあり、ショップで見かけるタナゴなどは婚姻色が出ているのは稀。

飼育環境でもとてもきれいな婚姻色が出る場合もありますが、種類や環境によるところが大きい。婚姻色を楽しみたい場合は、屋外に近い環境で多くのタナゴを入れていると皆競うように婚姻色を出しますが、全然でない場合もあります。逆に、室内ですごくきれいな婚姻色が出る時もあります。婚姻色を出したい場合は雄雌で入れたり、二枚貝を入れたりすると季節に合わせて色づいてきます。

飼う準備

水路で釣ったタナゴ・タナゴ・タナゴ

必要なものは最低でも30㎝以上の水槽、フィルター(上部式がお勧め)・底砂・です。水槽サイズはスペースがあるなら60㎝規格以上が最もバランスが取れているでしょう。
水草や流木、石などでレイアウトするときれいです。
ライトもあると明るくて見やすいですし、暗い室内だと水カビ病などの病気になりますのでぜひライトもそろえてください。

30×30×30㎝サイズのキューブの場合は小型種で5匹、大型なら3匹が限界となります。ただ、このサイズだと粗っぽいタナゴが一匹いるだけで他のタナゴを攻撃しまくって全滅する可能性もあります。やはり60㎝規格のレギュラー水槽は用意すべきでしょう。

60㎝規格なら小型なら30匹は大丈夫ですし、攻撃性の高いタナゴがいても逃げ隠れ出来ます。スペースがあるなら横90㎝や横120㎝のさらに大きな水槽を選ぶのも悪くありません。カネヒラなどの大型タナゴがメインなら大きな水槽を用意すると水族館のように綺麗です。

また、タナゴといえば二枚貝と聞いたことがある人がいるかもしれません。繁殖するには二枚貝が必要ですが、飼育水槽に貝を入れても稚魚にはなかなかお目にかかれません。というのも、生まれたばかりの稚魚は親などにすぐ食べられてしまうからです。我が家では朝6匹いたカゼトゲの稚魚が昼には3匹になっていました。メダカと同じです(食べられた!!)。繁殖させたい場合は別の水槽を用意して産卵させた後に、親を取り出す必要があります。なので、繁殖を行わないのなら、メイン飼育水槽に二枚貝をわざわざ入れる必要はありません。二枚貝は餌などで難しい面もあるので簡単には長期飼育ができないのですし、入れる意味はありません。大抵はエサ不足で1・2カ月で死んでしまいます。販売されている二枚貝は野生のものしか流通しておらず、繁殖目的でないならわざわざ貴重な二枚貝を買ってまで入れる必要はないです。

釣ったり、買ってきたら

日本淡水魚専門店で売られていたアブラボテ。

水槽に入れる前には水合わせという作業が必要です。これは主に水温や水質を合わせるためですが、この作業を怠ると数日で死んでしまったり、2週間くらいで死ぬケースがあります。タナゴは水質に関しては丈夫な部類で、水質や水温やカルキのショックには比較的強いのですが、採取から半日以上たっている場合やまだ小さい場合は慎重にやった方が良いです。水道水の場合はカルキ抜きは必ずしてください、野外に汲み置きして抜く場合は一日では足りないので3日くらいやるのが安心。

水合わせはなるべく1時間以上かけるのが理想です。やり方は入れたいタナゴを以前の水ごとバケツなどに入れ、そこに10分おきに水槽の水を追加して慣らせます。ゆっくり水槽の水と入れ替えたところで、成体だけ水槽に投入します。

ちなみに初日に餌をあげても食べません。3日くらいすればタナゴは普通に人口餌を食べます。

稚魚は背中に星があるのは確実にタナゴ。星のない種類もいます。

貝から浮上したてのとても小さい稚魚は、川で捕ってすぐ水槽に入れないと死ぬ場合が多いです。とてもデリケートなのです。時間がかかるときは稚魚の場合はどうせ死んでしまうので、持ち帰らずに川に放しましょう。

我が家では30㎝キューブと60㎝規格で飼育

キューブ水槽では小型のカゼトゲタナゴを飼育。ミナミヌマエビとヤマトヌマエビ、石巻貝が入っている。
ゼトゲタナゴとヤマトヌマエビ水槽
我が家の60㎝規格。

我が家では30cmキューブでカゼトゲ、ニッポンバラタナゴを飼育しています。以前アブラボテを入れていたのですが、攻撃しまくるので大きい水槽に移しました。大きくなるカネヒラなどもこのサイズでは無理でしょう。小型でも気性が荒いタナゴの場合はペアで飼うのが無難です。


60㎝規格では、ニッパラ、カゼトゲ、ヤリ、イエローバラ、アブラボテ、交雑種を飼育しています。
写真はみんなでかたまって隠れていますが、今は近づくと餌をねだります。

タナゴはハヤなどと比べて蓋から飛び出ることは少なめではありますが、長く飼っていれば必ず飛び出し事故は起きます。タナゴも蓋は必ず必要です。隙間が多い場合はふさぐ必要があります。また、水面まで5㎝くらいは余裕を持つべきです。ギリギリにすると飛び出しの確立が大幅にアップします。荒っぽいタナゴがいる場合も、追われたタナゴが逃げようとして飛び出す時があります。

タナゴって人に慣れる?人が近づくと暴れる?

タナゴは人に慣れるか?というと、ベタや金魚並みに慣れませんが、餌をやるタイミングで集まる程度なら人慣れします。ただこれは水槽の大きさや生体数によると思います。

問題となるのは、餌をやろうと人が近づくと、水槽内を暴れまわってしまう場合です。あまり暴れると擦れ傷を負うこともあるので好ましくありません。これの場合はタナゴが落ち着きやすいように水面まで届くような高さのある流木や水草を入れると比較的すぐに改善します。水槽が明るい場合はスクリーンを貼るのも良いでしょう。

必要なもの

  1. 水槽
  2. フィルター
  3. 床材
  4. 水草
  5. エアレーション

水槽

タナゴの飼育はできるだけ大きめの水槽が適しています。餌をよく食べて水を汚すし、種類にもよりますが狭いと小競り合いが絶えません。

繰り返しになりますが、お勧めは60㎝規格以上です。10匹以上飼えますし、レイアウトの自由度も高くなります。


レイアウトするなら生育する川の再現をしたらおもしろいです。石や水草も川から取ってきます。水草メインの水槽は食べられる場合が餌と思って入れることになりますが、種類によっては全然食べないので水草をたくさん入れること可能です。大きめの流木を入れた際は長期間たつと灰汁が出るので活性炭をぜひ。

フィルター、エアレーション

フィルターは水を浄化する装置ですが、上部式が最もおすすめです。外部式でもいいのですが、値段が高めですしエアレーション採用も検討等する必要が出てきます。

上部式はメンテナンスが簡単で濾過用のマット部分でエアーを取り込むので多くの場合はエアレーションは必要ありません。

とにかく日本淡水には上部が似合います。ろ材はリングろ材を敷いた上にウールマットを重ねて定期的に交換するのがいいでしょう。ただ上部式は落水音が発生するので、静かな水槽にしたいなら外部式一択です

物理濾過重視といいうことで投げ込み式フィルターも併用すれば万全です。エアレーションは万全になりますし、何かのトラブルでフィルターが止まった際も安心です。

エーハイムやGEXギガパワーなどの外部式を使う場合は、排出口を水面より上げて水面をバチャバチャさせるようにしてエアーを取り込んでください。

以下は、60㎝用になります。

タナゴに水流は必要?

稚魚は水流が弱い方がいいですが、多少大きくなったら水流はあった方が健全に育ちます。とわいえ、強すぎる水流はダメです。レイアウトで水流の無いところも作ってあげるべきです。

種類によっても好みは変り、特に水流を好むのはヤリタナゴ、タビラ類になります。泳力が強いので大型水槽では多少の水流をものともせず泳ぎ回ります。水流を強くした環境だと細長い体形になり、「水流が弱いと体高が高くなります。これは野生でも確認でき、同じ種類でも水流が強いところは細長く、弱い所ではひし形っぽくなります。

全く水流の無いような環境で育てると鼻がつぶれて顔の大きさに対して体高が不自然に高くなる場合があります。ぜひ水流を作って健全に運動してエサを食べる環境にして下さい。

水流を作る方法としては、フィルターからの取水口を縦ではなく横にすれば少しは水流ができます。大きな水槽なら、水中フィルターや水中ポンプを使いましょう。

床材

大磯砂とタンクメイトのヨシノボリ

我が家では大磯砂、珪砂、田砂の三種類で飼っています。

どれも機能的には大差ありませんので、見た目の好みで選んだらよいでしょう。お勧めは大磯砂です。消耗しないし、価格も安い。汚れも洗えば落ちます。それから、貝に一番合うのは珪砂かもと思ったりもします。
田砂は小さめで通水性が悪く長く使っていると悪い菌の温床となる可能性があります。定期的にホース等で掘りながらゴミを取り除いてのメンテナンスが必須です。放置すると知らず知らずにエロモナス菌などが増えてしまいます。

ソイルはとても優れた床材で、タナゴ飼育にも使っている人が増えています。吸着作用があるのできれいな水を保ちやすく濾過に余裕ができ、水替えの頻度も月1回でも行けます。確かに水を保ちやすい床材なのでメンテナンス少な目にしたいなら選ぶのはアリです。コケにも悩まされる確率は減ります(コケが生えないわけじゃない)。ただ、消耗品で長くて1年位くらいで交換が必要です。強力な外部フィルターを組み合わせれば、高密度飼育も可能です。

何もひかずにベアタンクでも飼えますが、見た目的には何か引いた方が良いです。ベアタンクなら水流やエアーレーションで変化をつけるのがいいでしょう。

タナゴ水槽の水草

タナゴに特に適した水草というのは無いですが、雰囲気を重視するなら日本に自生する水草を選らんだらよいでしょう。タナゴは草食性でコケや水草も食べます。特にカネヒラやゼニタナゴは食べる場合があります。と言うかよく食べます。カネヒラがいると水草がバラバラになりやすいでが、餌として入れる場合はカボンバかアナカリスが適しています。一日で丸裸にするほど食べる時があります。
タナゴは日本淡水魚の中では草食でもあるのですが、ほとんどの場合は流木についたコケを齧ったりします。フィールドでもよく水路の壁についたコケをハムハムしています。可愛いので一度見てみてください。

川から取ってくるのもアリですが、その場合は小さな虫や病気を持ち込む場合があるので、バケツで様子を見る必要があります。その際はぜひ、「水草その前に」を入れるべきです。小さな生物は水槽に一度入れてしまうと取り除くのが困難なのです。水草を食べられたくないならセキショウモ(バリスネリア)を入れてください。全然食べません。

石、隠れ家、流木

流木の下で身を寄せ合うニッポンバラタナゴ

石、隠れ家、流木は特に必須というわけではないですが、雰囲気がアップするので何か入れた方が良いでしょう。どちらかといえば流木メインの方がいいかもしれません。小さいタナゴの場合は隠れ家があった方がいい気はします。

石の場合は、レイアウト水槽のようにかっこいい石というより自然な雰囲気が似合うので川で拾うのもアリです。

また、タナゴは下の方を泳ぐ傾向があるので中層や上層をあまり泳がない場合がありますが、その時は水面まで届くような水草を入れると改善します。

餌 えさ は専門のものか植物系のものがお勧め

各社から日本淡水魚用の餌が売られているが、タナゴがパッケージにかかれている物が多い。川魚用とはいえ、熱帯魚や金魚・メダカと大きな違いは無い。

タナゴは基本的には餌は何でも食べます。ただし、川から採取してすぐはほとんどの個体が食べません。

あまり細かいものでなく、つついたらゆっくり落ちるようなエサがいいでしょう。また、タナゴはコケや水草などを野生ではよく食べるので植物が配合されたものが適しています。もしくは定期的に植物性の多い商品をおやつのようにあげても良いです。当然ながら、餌用に水草のアナカリスやカボンバなどを浮かべておくのも良いでしょう。


そういう意味ではタナゴ専用のエサはちょうどよいです。メダカ用は細かすぎます。どちらかといえば草食の魚ですので、長く飼いたい場合はやはり専用がいいのかもしれません。

乾燥赤虫なども食べますが気づかない場合もあります。冷凍赤虫はガンガン食べますが、水を汚す場合が多いので、我が家ではわざわざ食べさせていません(他の魚のついでとか)。
我が家ではキョーリンのひかりタナゴばかりやっています。植物成分が配合されて緑色をしており、粒がつぶれているのでひらひらとゆっくり落ちます。

タナゴの組み合わせによっては餌を食べれずに痩せていく個体が出る場合があります。特に小型のおとなしい種類が痩せてないか注意してください。我が家ではニッポンバラのメスが餌が食べれずに痩せていきました。これを改善するには一回に上げる餌の量を増やすことになります(もしくは弱くて大きくなりにくい個体を別水槽で飼う)。また多くの生体を飼育していると中々人口餌を食べずに大きくならない個体が出てくる場合があるので、可能ならそのような餌をあまり食べない(食べられない)個体だけを集めた水槽を別管理するのも良いアイデアです。

また、真冬の無加温の水槽の場合は餌は控えめにしましょう。一日一回で大丈夫です。

↓お勧め(キョーリンにひかりタナゴが最も良いと思う。バランスが良い栄養でさらに、食べ残しも少なく、水も汚れない。が、少し粒が大きめで魚が2センチ以下の場合は食べれない。タナゴが小さいときは適当にメダカのエサをあげましょう。)

最近のタナゴのエサのお勧めはヒカリの日淡プロスです。フレーク状でタナゴのサイズを問いません。タナゴが小さいのも大きのも食べれます。水も汚れにくい。様々な大きさのタナゴが混在している場合はこのエサをお勧めします。

↑お勧め

メンテナンス

水質や水替え掃除

タナゴの場合、水替えを怠るとヒレが溶けてきます。ヒレの溶けは濾過が弱い水槽でも起こりますし、水温差が激しい水槽でも起こります(ヒーターを検討してください)。

水替えが必須なタナゴ水槽ですが、水替えの際はプロホースなどの床材も掃除できる道具を使うのがベスト。プロホースは60cm規格ならLサイズです。30㎝キューブならSがいいかな。
週一で1/3くら替えるのが手軽です。二週に1回なら1/2替えてください。

※最近のおすすめは水作プロホースよりGEXおそうじラクラク 砂利クリーナーの方です。GEXの方がスピードも速いし安い。

コケ

コケ掃除はダイレクトに落とすのが一番手軽です。タイミングは水替えの前。コケを落としてから水替えを。

流木や石にについたコケはカネヒラやバラタナゴが食べます。ガラス面のコケは食べません。

タナゴの病気は?

タナゴは比較的丈夫な部類かとは思いますが、追いかけまわしたりビックリして激しく動いたりして擦れ傷等を負いやすい魚です。外見でよくあるのはヒレがボロボロになること。まずはいじめられていないか、弱っていないかを確認してください。

病気は白点病にかかる場合もあります。タナゴではタビラ類やカネヒラが発症しやすいです。この病気はやっかいですので、とにかく早期発見が大事。運が良ければ最初の一匹を隔離治療するだけで済みます。隔離の場合は、エルバジュエースやグリーンFなどを比較的強めの薬を使い、素早く治療するのがお勧めです。水槽全体に広がっているようなら、マカライトグリーン系のヒコサンZやアグテンで治療してください。薬浴はなるべく早いタイミングで開始し、まず強力に病気の動きを鈍らせて徐々に濃度を薄くする手順が良いでしょう。いずれにしろ最低でも2週間は完治にまで必要です。

白点病の原因で最も多いのは新しい生体が持ち込むケースですが、水槽内の循環が弱かったり、濾過不足などの場合に発生します。また、水温差が激しい水槽も生体が知らず知らずに弱り発症します。

白点病以外の病気としては赤斑病(体に赤い出血)、尾ぐされ病(尾が溶ける)にかかる場合があります。この病気はどちらも水質の悪化による菌の増加が原因です。赤斑病はエロモナリス菌、尾ぐされはカラムナリス菌が原因です。水が悪くなるとこの種の菌が増えるので定期的に水替えをして予防してください。過密気味だったり、餌の入れすぎだったり、濾過不足も原因となります。また、細かい床材は水通しが悪く、菌の温床になるケースがあるので厚く敷いている場合は原因として疑って年に一回はリセットして全体を洗うなどの対処が必要となります。治療は隔離してエルバージュエースで薬浴すれば治りますが、ごく初期なら水替えや塩浴で治せます。

病気とは違ってきますが、おとなしい種類やサイズが小さい個体は餌がうまく食べれずに痩せて弱るケースがあります。タナゴは種類にもよりますが、なわばりを主張して小競り合いをしやすい魚ですので常に攻撃されたりしているとストレスや餌が食べれないことで弱っていきます。
攻撃の対象になるおとなしい魚のために隠れ家を準備するのは定番アイデアではあるのですが、結局ずっと隠れていると長期的には餌の量が減って痩せていきます。

タナゴの白点病は水槽丸ごとマカライトグリーン(ヒコサンZ)で治療しよう
タナゴの白点病の原因我が家のタナゴが白点病になりました。原因としては水温を下げるために夕方頑張って水替えをしていたことが思い当たります。野外水槽なので暑い日は35度まで水温が上がっており、1・2日に一回は水替えをしていました(長男...

オスの口の周りにブツブツができますが、あれは病気ではなく「おいぼし」というもので正常です。他にも日淡は体の一部にイボのような物ができる時がありますが、しばらくすると消えるのでそこまで気にする必要はありません。

アブラボテ。オスは口の上においぼしが出る。

タナゴの寄生虫

タナゴの寄生虫として有名なのは高橋吸虫というのがあります。コイ科の魚全般に寄生します。釣ったタナゴのうろこの一部が黒い原因は高橋吸虫です。この寄生虫は自然環境でしか繁殖できないのでタナゴを水槽に入れておくと数週間でキレイに消えてしまいます。気にする必要はなく、他の魚にうつったりもしません。

これはフナです。福岡ではタナゴにはあまりついていませんが、地域や川により沢山ついているタナゴも釣れます。どうせきれいに消えるのでゴマ入りと言って喜ぶ人もいます。

普通はクーラーやヒーターはいらない-水温について

タナゴの水温は冬15度~夏25度くらいが目安です。

タナゴは水の冷たい清流に住む魚ではないので、夏場に水温が30度以上にたまに達するくらいはでは問題はありません。ですが、連日暑いと弱っていきますのでクーラーやファンを使う必要が出てきます。直射日光はNGですので、日陰になる工夫が必要です。水温計は必ず付けて水温を夏場は確認するようにしてください。二枚貝が入ってる場合は、タナゴより貝の方が弱くて死ぬ時があります。貝が高水温で死ぬと急激に水が腐ってしまうので注意が必要です。貝は最高25度を目安にしてください。

室内なら冬のヒーターも必要ありません。通常、室内飼育の日本淡水魚ではヒーターは必要ありませんが、あまりにも低温になると寿命が短くなる場合があります(屋外は入れた方がいい)。多くの種類を入れている場合や二枚貝を入れている場合は金魚用に売られている17度程度のヒーターを使うのはいいかもしれません。また、台湾などの外国の生体を飼育する際は熱帯魚用のヒーターが必要になります。基本的に寒い時期は餌をあまり食べずあまり成長しないので稚魚や幼魚は加温してえさをあげれるようにするのもいいです。

夜と昼の水温差が激しい場合はタナゴは弱りやすくヒレが溶けたり白点病やエロモナス病などになります。ヒーターを検討してください。温度は20度くらいです。

火鉢にメダカとアブラボテというタナゴを入た時に、冷え込んで水面が凍っていたのですが無事生き延びました。メダカや金魚と同じように仮死状態で乗り切ったようです。ただ、寿命は短くなっているのかもしれません。

繁殖について

イシガイとマツカサガイ

オスとメスの見分けは、タナゴは比較的簡単です。稚魚のうちは難しいですが、大きくなるとオスが派手でメスが地味です。オスの婚姻色が出なくてもメスが地味だし、産卵管が出てくるのでわかります。

タナゴは二枚貝に卵を産むのですが、種類により好む貝が違います。適した種類を用意する必要があります。別の水槽を用意して5・6個貝を入れておきます。そこに婚姻色が出た雄と産卵管が伸びたメスを入れておきます。

激しく争わないならタナゴは数匹づつ入れても問題ありません。大量に稚魚を産ませたいなら、オス4メス20にすれば沢山の稚魚が出てきます。その際は、二枚貝も沢山いれることになります。大きさにもよりますが、ほとんどのタナゴはおなかに10個以上の卵を入れており一度に数個の卵を数日かけて複数回産んでいきます。

2週間も入れておけば産卵してるはずですので元の飼育水槽に戻します。この理由は高い確率で生まれた稚魚を食べるからです(卵に対して貝が小さかったり少ないと、卵が吐き出されてしまうこことも)。卵は二枚貝のえらで数日で孵化し、そのあと2週間ほど貝の中にとどまって大きくなります。そして朝に貝から出てきます。それを浮上と言います。タイリクバラが2週間、在来タナゴは3週間が目安です。一匹出てきたら、数日間かけて残りが浮上します。

繁殖は二枚貝を使いますが、二枚貝の飼育が難しいのです。餌が珪藻なので室内だと絶対に餌不足になります。屋外水槽だと勝手に珪藻は増えるので餌はやらなくても元気です。我が家では近所で採取したイシガイを20個近く水槽に入れていましたが、野外水槽では死ぬことはありませんでした。

室内環境なら二枚貝を使わずに人工授精を行うことも可能です。今後挑戦しようと思っています。

貝との相性表

 〇利用△たまに利用×利用しない
アブラボテカワシンジュ、ヨコハマシジラガイ、カラス貝族、オバエボシガイ、マツカサガイ◎イシガイニセマツカサガイ、ササノハガイ属
ヤリタナゴマツカサガイ◎、カタハガイ◎、オトコタテボシガイ属、キュウシュウササノハガイ、オバエボシガイイシガイ、カラスガイ族ササノハガイ、
ニッポンバラタナゴイシガイ、カラスガイ族◎、オバエボシガイ、カタハガイ、マツカサガイキュウシュウササノハガイ
タイリクバラタナゴカラスガイ◎、イシガイ、オバエボシガイ、マツカサガイ
カゼトゲタナゴイシガイ◎、カラスガイ族◎、オバエボシ、マツカサガイカタハガイキュウシュウササノハガイ
スイゲンゼニタナゴイシガイ
名前〇利用△たまに利用×利用しない
タナゴカワシンジュ、カラスガイ族◎
イチモンジタナゴカラスガイ族◎
カネヒライシガイ◎、タテホシガイ◎、オトコタテホシガイ◎、ヨコハマシジラガイ、ササノハガイ、オバエボシガイ◎、マツカサガイニセマツカサガイ、カタハガイキュウシュウササノハガイ、カラスガイ族
ゼニタナゴカラスガイ族
イタセンパライシガイ◎、ササノハガイ、カラスガイ族、カタハガイ、
名前〇利用△たまに利用×利用しない
オオタナゴイチョウガイ
ミヤコタナゴヨコハマシジラ、カラスガイ族、マツカサガイイシガイ
セボシタビラカタハガイ◎カラスガイ族、マツカサガイイシガイ、キュウシュウササノハガイ、オバエボシガイ
シロヒレタビライシガイ、タテボシガイ、オトコタテボシガイ、ヨコハマシジラガイ、カタハガイ、オバエボシガイ、ニセマツカサガイ、ササノハガイ、カラスガイ、マツカサガイ
ミナミアカヒレタビラカラスガイ族
キタノアカヒレタビラカラスガイ族
アカヒレタビラカワシンジュガイ、イシガイ、マツカサガイカラスガイ族

日本のタナゴという本を参考に作成しました。

※ヌマガイ、タガイはカラスガイ族になります。

婚姻色と産卵管

オスの婚姻色は出ているのに、メスの産卵管が伸びない時があります。種類により長さは違いますが、2~3cm伸びて、お腹が膨れたメスは準備万端と言えるでしょう。よく観察すれば産卵管の色が変わる種類もいます。繁殖のタイミングはオスよりもメスの合わせることになります。

オスは勝手に水温等で繁殖モードになりますが、メスの場合は産卵管がなかなか伸びない場合があるので、その際は貝複数と雄と雌をペアに入れると産卵管が伸びてきます。始めるタイミングとしては3月に繁殖水槽を用意して準備させ、4月や5月に産卵させるって感じです。

多くの種類で3月から6月が最盛期です。それを過ぎても8月までは繁殖は可能な個体もいます。秋型のカネヒラは8月以降に産卵します。カネヒラは特殊で貝の中にいる期間が長く、次の春に浮上します。ゼニタナゴやイタセンパラもそうです。ちなみに室内でヒーターを入れていると冬でも繁殖可能ですが、メスが産卵モードになるかはやってみないとわかりません。

水槽で飼育していると二枚貝がないのに卵が産卵管の中に見える時があります。人工授精の大チャンスです。もし人工授精させなくても、出てきた卵をメスは水中で産んで自分で食べます。二枚貝に産卵失敗して吐かれた時も食べます。

稚魚の世話

カゼトゲタナゴとニッポンバラタナゴの稚魚30㎝キューブで飼育している。

タナゴの稚魚は二枚貝から浮出(浮上)してからは粉末のエサやブラインシュリンプをあげます。貝の中で少し成長しているのでメダカの稚魚などよりも一回り大きいです。水流が強すぎると弱るので注意してください。理想はブラウンシュリンプですが、粉末の餌だけでも大きくなります。ただし、ブラウンシュリンプを早い段階であげると大きくなる速度が速いです。

2週間ほどで見違えるほど大きくなります。少し大きくなってからはミジンコやメダカのエサに切り替えます。可能なら植物配合のタナゴ用のエサをすりつぶしてあげてください。

注意点:稚魚でも大きさが違うと、小さい稚魚は弱って死にます。浮上したばかりの稚魚を、2週間前浮上した少し大きい稚魚と一緒に飼おうとしてもどんどん死ぬので、浮上時期が違うなら別に飼育してください。

混泳、タンクメイト

ヤマトシマドジョウ。ドジョウは愛嬌があり可愛い。細かい砂だと砂に潜って顔を出している様子も観察できる。

タナゴとの混泳にお勧めなのは、ドジョウ ヨシノボリ、イトモロコです。モロコなどは、温和なので向いています。ドジョウなどの底物は餌を食べらられてない場合があるのでよく観察しないといけませんが、通常ならタナゴが食べ残した餌を食べてくれます。我が家の水槽でも特別ドジョウのエサは入れていないのにどんどん太っています。

バラタナゴなどの小型類には、ヤマトヌマエビなどがコケも食べてくれるのでいいです。ミナミヌマエビも小型との同居なら可能ではありますが、一度食べると癖になりそのうちミナミは消えてしまいます。追加してもすぐ消えてしまうかのうせいがありますが、全然食べない時もあるのでチャレンジしてみる価値はあります。

ミナミヌマエビはタナゴがいる川の水草をガサガサすれば簡単に捕まえられます。

タナゴの寿命

前日まで元気だったのに気づくと死んでヤマトヌマエビに食べられていたタナゴ。

タナゴの寿命は通常は2~3年です。飼育環境だと4~5年生きる時もあります。寿命が短いタナゴとしては小型のカゼトゲタナゴとイタセンパラなどがいます。

稚魚から育てないと年齢はわかりませんが、寿命で死ぬ場合は色が薄くなったり、ヒレなどが溶けてきて弱って死にます。前日まで元気で婚姻色もすごかったのにいきなり死ぬ時もあります。

タナゴ生体の購入

タイリクバラタナゴは在来と比較しても美しい魚。丈夫でもあり、飼いやすい。

お勧めの種類は、タイリクバラタナゴです。アクアショップでは定番のタナゴです。
改良品種も沢山いてきれいです。家でもイエローバラタナゴを飼育しています。.

外来種ですので、野外で釣った際も気軽に持ち帰って飼育ができます。野外に逃がさないように気をつけましょう。

まとめ

カゼトゲタナゴの雄。我が家の近所にいるから採取して飼育している。

家では、全部で65匹くらい飼育しています。稚魚も沢山います。

やっぱり婚姻色が出る春から夏が最もタナゴはきれいですね。それを過ぎればカネヒラがきれい。本当に美しいです。


タナゴ釣りも面白いので是非してみてください。ただ、採取飼育する際は飼育可能な数を考慮して持ち帰ってください。

主なタナゴ関連エントリー

タナゴの飼育方法(我が家ではタナゴにハマってます)
タナゴという魚水路で釣ったヤリタナゴの雄。日本の淡水魚とは思えないほど、美しい色彩。タナゴは日本在来の魚で身近な田んぼの水路などに生育している小魚のグループです。我が家では偶然近所の川でアブラボテというタナゴを網で捕ったの...
タナゴと混泳飼育できる日淡の仲間たち紹介します
タナゴと混泳できる日本淡水魚たちゼトゲタナゴとヤマトヌマエビ水槽もともと我が家ではタナゴはアブラボテとヤリタナゴをオイカワとカワムツと一緒に飼っていました。メスのヤリタナゴはおとなしく問題はありませんでしたが、...
タナゴを人工授精で繁殖させる方法解説-二枚貝不要
タナゴの人工授精について貝に群がるニッポンバラタナゴタナゴ飼育の醍醐味は繁殖です。きっぱり!というのも、婚姻色の美しさや産卵管というタナゴの特徴は産卵行動のためのものです。最初は繁殖させる気が無くても、季節と共に色...
二枚貝(ヌマガイ・イシガイ等)の飼育方法-専用のエサが安心
二枚貝の飼育は難しいカゼトゲタナゴとイシガイ二枚貝が水槽に入れられているのを見たことがある人はいると思います。アクアリウム界隈ではシジミやイシガイ・ヌマガイ・カワシンジュガイなどが主な種類です。シジミは水質を良くすすため、...
福岡県(九州)のタナゴ6種の水路紹介、釣りや罠
タナゴが生育する水路家に転がっていた魚用の罠と虫取り網で毎日タナゴを捕獲しています。最初はアブラボテというタナゴの一種やハヤばかりだったのですが、水路のつながりや地形をたどっていくと他にもタナゴが泳いでいる水路が見つかりま...
タナゴ釣りの仕掛けと餌、場所・時期と種類・魅力をとことん解説
タナゴ釣りおもしろさカネヒラの婚姻色オスタナゴ釣りの面白さは何か?個人的に最も魅力と思うのは、婚姻色がきれいな個体が釣れることと思っています。うわ!とビックリするくらい虹色に輝く魚が釣れるのです。なので釣りの時期というのは...
タナゴ日本淡水魚
スポンサーリンク
プロフィール
この記事を書いた人
へことりch

ベタ・タナゴ・コリ・エンゼルが好きです。頑張って記事を書いています。ベタは、ギャラクシースマラグディナがいます。
スマラグディナの繁殖に成功して今どんどん大きくなっています。

へことりchをフォローする
九州アクア日和
タイトルとURLをコピーしました